意外?東京より名古屋が「交通利便度」は上だ ビッグデータで見えた新幹線の威力

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京都府と愛知県が東京都を上回った理由について、レポートでは京都府と愛知県はそれぞれの域内で交通網が充実している上に、2時間以内と時間を拡げたことで、異なる大都市圏にアクセス可能な点が数値に表われたのではないかと分析している。

具体的には、京都からは名古屋駅を中心とした東海エリアに、愛知からは京都駅・新大阪駅を基点とした関西圏にアクセス可能なため、カバーできるエリアが大きく広がったというわけだ。大都市圏同士が高速交通機関で結ばれると、アクセス可能なエリアを飛躍的に広げる効果があることがわかる。

新幹線効果で大幅ランクアップ

栃木県(上)と広島県(下)の到達所要時間マップ。栃木県は東北新幹線沿い、広島県は山陽新幹線沿いを中心に、到達時間の短い赤いエリアが広がっていることがわかる(画像:Yahoo! JAPANビッグデータレポート)

また、2時間以内で到達できるエリア面積のランキングでは、新幹線の効果もより明確に見えてくる。「1時間以内」のランキングと比べ、大幅に順位が上昇した県があるのだ。

たとえば「1時間以内」では21位だった栃木県は6位に急上昇。同様に広島県は14位から8位に、宮城県は18位から9位にアップしている。

これは新幹線の利便性が大きく影響していると推測できる。栃木県の場合、1時間以内で到達できるエリアは大都市圏のように広くはないものの、2時間以内と時間を広げると、そのエリアは東京方面と東北方面の新幹線沿い、さらに一部は上越・北陸新幹線沿いにも広がっていくことがわかる。

広島県も同様で、2時間まで所要時間を広げると、県内だけでなく兵庫・岡山・山口・福岡各県の山陽新幹線沿いに到達可能なエリアが広がっていく。

逆に、広島県と接する日本海側の島根県は44位、瀬戸内海をはさんで対岸の愛媛県は43位。距離的に近いエリアよりも、高速交通機関で結ばれたエリアのほうが移動が容易なことがはっきり見える結果だ。

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