人気風俗「五十路マダム」で働く女性のリアル 50歳前後のキャストが意外な人気を博す理由

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現在、この世界に飛び込んで6年になる佐野さんの生活は安定している。週5回出勤し、12時間勤務する。少ないときで2人、多ければ5~6人。平均すれば一度の出勤で4人の客がつく。月にどのくらい稼いでいますか?と尋ねると、明言は避けながらも「求人誌に書いてあった“60万以上稼げます!”に到達したことはありませんが、十分な額をいただいています」との返事がきた。

「おかげさまで、引っ越しもできました。息子が入院している病院に歩いていける距離にある、小さなアパート。週末に息子が外泊するときは、そこで2人で過ごします。最近やっと先のことも考えられるようになりました。このお仕事をする以前は、明日どう生きられるかもわからなかったことを考えると夢のようです」

トップクラスの売れっ子ではないが……

キャスト同士が顔を合わせる「待機室」(筆者撮影)

トップクラスの売れっ子ではないにしても、リピートする常連客が何人もいて、一定の人気をキープしているようだった。佐野さんは、筆者の目には年齢よりも上に見えた。家族のケアに費やした半生の苦労ゆえなのだろう。しかしその分、とても常識があり、「人として確か」という印象を受けた。それが魅力となり、男性からも支持されているに違いない。話をしていると安心感を覚える。

「私は職歴こそありませんでしたが、子育てや介護に明け暮れた日々の中でも、無駄だったことはひとつもないと思っています。すべてがつながって、今のお仕事に生きているんですよね。ということは、このお仕事を丁寧にすればこの先の自分もきっと大丈夫、そう思って毎日、接客させていただいています」

こう話す佐野さん。どこまでも謙虚な人柄に、人気の理由が見えた。

三浦 ゆえ フリー編集&ライター

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みうら ゆえ / Yue Miura

富山県出身。複数の出版社を経て2009年フリーに。女性の性と生をテーマに編集、執筆活動を行う。『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』シリーズや『失職女子』などの編集協力を担当。著書に『セックスペディア-平成女子性欲事典-』がある。

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