自閉症児の兄弟姉妹を支援することも必要だ

医師らが悩みを共有する場を提供

障害児者のいる家庭では兄弟姉妹が疎外感を感じる場合がある(写真 :TATSU / PIXTA)

障害児者のいる家庭では、生活が障害児者を中心に回りがちで、兄弟姉妹が疎外感を感じる場合がある。福井大医学部附属病院の医師らが、福井県内の自閉症児者の家族を対象に、そうした子どもらが悩みを共有したり、多様な経験をしたりする場を提供している。医師は「きょうだいは親よりも長く関わっていく存在。彼らの不安に手を差しのべていくことが必要」と話している。

この取り組みは、県自閉症協会の活動の一環として「きょうだいの会」と銘打ち2009年にスタートした。同病院小児科講師の川谷正男医師(46)が代表を務め、協会員らがスタッフを務めている。

同じ境遇にいる者同士、支え合う場が必要

川谷医師によると、自閉症児者との関係の中で、親は療育に熱心で濃密な関係を築きやすい一方、兄弟姉妹に対しては関心が薄くなる場合もあり「分け隔てなく接しているつもりでも疎外感や不公平感を感じていることがある」という。また自閉症は「見えにくい障害」といわれる。知的な遅れがないケースは周囲から障害と分かりづらく、幼い兄弟姉妹が症状を理解し、受容するのは容易でない。「友達関係の悩みや将来に対する不安を1人で抱え込んでいることもあり、同じ境遇にいる者同士がつながり、支え合う場が必要」と、川谷医師は訴える。

きょうだいの会は年4回程度催しを企画。これまで小学生から高校生まで6人が参加してきた。家族と離れて遊園地に出掛けたり、バーベキューをしたりして過ごす。時には川谷医師から「お父さんやお母さんにも言えない悩みはない?」などと語りかけ、相談にも乗る。

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