絶対使える!「おもてなし英語」のリアル 事件は現場で起きている!?

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日本ではテーブル専属のウエーターはつきませんが、アメリカでは担当のウエーターがついて、料理を食べ始めてからしばらくすると自らやってきます。そして

Is everything all right? 問題ございませんか

と尋ねるのが慣例。彼らはチップが大事な収入源ですので、愛想はいいんですよね。

ひと皿で何人前?

そんなことを考えていると、アメリカ人たちが何かの料理を注文したいようで、How large is this? (これ、どのくらいの大きさ?)と店員さんに聞いています。

その質問に笑顔で Yes, it’s large!(はい、大きいです)と答える店員さん。But how large? (で、どのくらい大きいの?)と聞きますが、店員さんは Yes, large.(はい、大きい)の一点張り。アメリカ人は困って、

Do you think one will be enough for three of us? 3人にひとつで足りますか

と聞き直します。すごくゆっくりジェスチャーつきで言ったけど、さっきより質問難しくなってるって! もちろん、店員さんはフリーズ。そして沈黙が10秒ほど……と、この流れでまたExcuse me! (すみません!)と筆者が呼ばれることに。

だいたい話はもう知ってましたけど、盗み聞きしてたのバレないようにもう一度聞いてみると、注文したいのはお好み焼きとのこと。「お好み焼きを頼みたいんだけど、ひと皿で何人前か知りたいみたいですよ」と店員さんに伝えます。すると、「ああ、そういうことですか。だいたい2~3人分ですね!」とニコニコ。

え、店員さんまで英語で話すの放棄しました?(笑)。That’s fine.(まあ、いいでしょう)

It serves two to three people. 2~3人分ですよ

とアメリカ人たちに伝えると、「日本のサイズだと小さいから、2つ頼んだほうがいいかな」と聞いてきました。「でも、もうずいぶんと平らげてますし、ビールも何杯飲みましたっけ?」とは言いませんでしたが、

It’s pretty filling. けっこうお腹にたまりますよ

と伝えて、「1枚でいいんじゃない」とお勧めしておきました。たしかに、アメリカのサイズに慣れていると、日本の1人前では物足りないですけどね。

筆者もアメリカに住み始めたころは、オフィスビルのカフェテリアで買うランチが食べきれず、家に持って帰って残りを夕食にしていました。ところが、しばらく住んでいるうちに、アメリカのサイズに慣れてしまい、ランチをすべて平らげるようになってしまったんです。さらには、それにデザートまで付けるように……。なんと3年間で20キログラムも肥えました。あのころはムーミンみたいな体型でかわいかったんですよ(ウソ)。

残念ながら、アメリカ人たちは筆者のお勧めをまるで無視し、お好み焼きを2枚頼むことにした様子。We’ll have two. (2枚お願いします)ですって。ありゃあ、これはもうムーミン街道まっしぐらですよ! 余計なお世話ですけどね。

すると、店員さん筆者に向かって「かしこまりました。それでは、2枚でよろしいですか」って、ちょっと! Yes, that’s right! (そのとおり!)と英語で答えておきました。

箱田 勝良 英会話イーオン 教務部 チーフトレーナー

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はこだ かつよし / Katsuyoshi Hakoda

1972年静岡県熱海市生まれ。1995年筑波大学国際関係学類卒業、株式会社イーオン入社。

講師として、これまでに約1万人を教える。スクールの講師を経た後、法人部教務コーディネーターとして、多くの企業の研修カリキュラム企画と講師を担当。楽天の社員の英語力研修も担当した。TOEIC(R)テスト990点満点、実用英語検定1級。

学生時代には1年間の留学以外には海外経験なしで、日本に住み暮らしながら英語力を飛躍的にアップさせた。その自身の経験を基に、現在は教務部のチーフトレーナーとして、イーオン全体の講師の研修やカリキュラム立案に関わる。

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