「町内会」の担い手がますます減りそうな理由 行政の仕事や責任が安上がりに「下請け」に

拡大
縮小
担い手不足の悪循環はさらに加速するかもしれません(写真:Graphs / PIXTA)

町内会の仕事が多すぎる

年度の終わりは、団体や組織の役員の交代のシーズン。町内会も例外ではありません。

拙著『どこまでやるか、町内会』でも紹介していますが、この「役員の仕事が回ってくる」というのが、「町内会に入りたくない!」という人にとって最大の理由の1つでしょう。もちろん、町内会にはある程度参加・協力するという人でも、町内会が抱えている仕事の多さに、気がめいっている人は少なくありません。

町内会が抱える仕事が多すぎる → 仕事が多すぎるために、役員を敬遠される → 役員の引き受け手がいなくなることで、ますます過重負担になっていく――。

こんな悪循環が繰り返されていないでしょうか。町内会が抱えている仕事をリストラして、必要最小限のスリムな組織にしたい! と常々悩んでいる町内会は少なくないはずです。

ところが、行政から回される仕事がますます増えるのではないか……と心配になる動きがあります。

「住民主体の課題解決力」?

「地域力強化検討会」というちょっと奇妙なネーミングの会議が国にあります。正式名称は「地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会」といって、厚生労働省によって立ち上げられた有識者の集まりです。

この会議が、昨年(2016年)12月26日に「中間とりまとめ」という報告を出しました。

次ページ行政の責任は?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT