お茶の水女子大学

「みがかずば」の精神に基づき
イノベーションを創出し続ける
理工系グローバルリーダーの育成
お茶の水女子大学 博士課程教育リーディングプログラム

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まさに企業活動に倣った取り組みである。学生は社会ニーズに応えられるプロジェクトターゲットを発掘する。多様な専門性を持つ仲間を集めてチームを作り(海外からの留学生も参画)、自分たちが主体となりプロジェクトの課題設定・計画・実施・マネジメントを含めて目標達成まで網羅実行することで、幅広い実践力を培う。3期生を迎えた今年度は「抗老化を助けるお茶の開発」や「食品工場排水中の油分処理」など、全7チームが独自の発想で、中には企業と連携しつつ、プロジェクトを推進している。

ここでの主言語は英語である。毎週開かれるPBTSには外国人教員がオブザーバーとして出席、学生は英語でプロジェクトを推進している。ここでもグローバル力の強化が図られているというわけだ。

さらに、プログラムでは、学生に、国内外の研究機関、企業、他大学などへインターンシップに行く機会を与えている。「グローバル研修」と呼ばれ、前期課程3~6ヵ月、後期課程6~12ヵ月と2度にわたった長期研修だ。学生は、研修の成果をPBTSに役立てる。また、研修先は、学生自身が見つけることを前提としている。今年度は、国内企業3、文科省、国内研究機関2、海外企業1、海外研究機関4などへ派遣した。学生は学外での就業(研究)体験により格段に柔軟性と人間力の幅を広げたという。

お茶の水女子大学長
室伏 きみ子

2004年の国立大学法人化に際して「学ぶ意欲のあるすべての女性にとって、真摯な夢の実現の場として存在する」という標語を掲げたお茶の水女子大学。今年で創立142年を迎える。グローバル教育とあわせてリベラルアーツ教育、リーダーシップ教育を柱に高度な教養と専門性を備える女性リーダーを社会に輩出してきた。多様性推進、働き方改革の流れを踏まえ、女性人材への企業の期待が高まる中、お茶の水女子大学の新たな取り組みが注目される。

来年度末には本プログラム最初の博士修了生が巣立つ予定であり、彼女たちの未来に期待が集まっている。

自立心旺盛な女子大出身者に期待


株式会社IHI 執行役員
調達企画本部 本部長
水本 伸子
 お茶の水女子大学大学院理学研究科物理学専攻を修了して1982年に株式会社IHIで初の女性技術系社員として採用され、2014年に執行役員に就任しました。女性活用は、企業が変化の時代を乗り切るのに必要な多様性の獲得に必須です。それには制度の充実も大切ですが、最も重要なのは働きがいだと思います。経験の機会を与え、女性社員を真剣に育てることが企業側に求められます。
 株式会社IHIは、私が執行役員に就任した2014年に1.9%だった管理職の女性比率を2020年度までに3.5%以上にする目標を掲げ、東京証券取引所と経済産業省のなでしこ銘柄にも選定されています。ただ、工学・理学系は女子学生数が少なく、採用には苦労しているのが現状です。女子大出身者は、男女差をあまり気にせず、何事も自分でやる自立心・独立心が強いため、男性コミュニティにも適応しやすいと思います。お茶の水女子大学の博士課程教育リーディングプログラムには、実践的なプロジェクト推進を通じて、仮説検証プロセスをきちんと身に付けた多くの女性人材を輩出してくれることを期待します。

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お茶の水女子大学
リーディング大学院推進センター
http://leading.dc.ocha.ac.jp/leading/
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