フランス男女が「激しい口論」も辞さないワケ 「男を持ち上げるさしすせそ?欺瞞だわね」

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(2)言葉を尽くす

コミュニケーションツールは徹頭徹尾「ことば」です。「きっとわかり合える」、その希望を失うことなく話し合いましょう。信頼している相手に誤解されてしまった場合もあるかもしれませんが、その際に「この人なら私の真意はわかってくれる」と思って放置するのはアブナイと思います。信じている人であるからこそ、ことばを尽くして自分を語り、相手に理解してもらって誤解を解くことが必要です。

逆にあなたのことを深く知らない人が誤解した場合は、時間が解決してくれますから、あわてて弁解したりしないほうがむしろ好結果となります。

パリジェンヌ&パリジャンたちが、何だかんだと口角沫を飛ばして、ときに激しく口論している光景をよく見かけます。骨の折れることでしょうが、愛をことばで語るときのポイントは、つねに自分の正直な気持ちを訴えることに尽きます。ぶれないことだけでも立派な愛情表現になります。

「愛され女子」を目指して何になる?

(3)「愛される」よりも大切なこと

日本の婚活サイトなどのキャッチフレーズを見ると、「愛され女子」「モテを目指す」「男がほれ込むこの仕草」といったフレーズでいっぱいです。

ちょっと待ってください。「愛される」も「モテる」も受け身ですよね。他人の心を操って「私を愛して」くれたり「私を追いかけて」くれるようにしようとするのですか? 愛が与えられると思い込んでいるのだったら、強欲な自己愛のあざとい心理が見え隠れしますね。人の気持ちは操るものでも、操れるものでもありません。おまけに心は見えません。心理学でわかることは、心理学は万能でないということです。相手の心を操ろうと思うのは、まだ愛していないからです。愛することもしていないで、恋人を思いどおりにしようなんて、いったい何をしたいのでしょう。

私たちができるのはただ〈自らの意志〉で〈愛する〉ことのみです。いまだにパリで人気がある、「愛の讃歌」で有名なシャンソン歌手、エディット・ピアフはこう言っています、「人生で一番大事なこと、それは愛すること」と。ここからすべてが始まります。

(4)愛しているを表現する

愛する〈覚悟〉を定めたら、次はそれを表現しなければいけません。日本だったら「態度で示せ」かもしれませんが、「どんな態度?」と悩むことはありません。なによりカンタンで偉大なる力を発揮するのはことばなのです。「愛している」と言の葉を間断なく言い放てばいいのです。

パリジェンヌたち&パリジャンたちは、それこそ毎日、1日に何度でもすきあらば、「愛している」とささやき合っています。「愛している」の言の葉の活用形は無限です。愛の力さえあれば、普段なら恥ずかしくなるようなこともやってのけることができます。それはまた、とてつもない愛の力に転化していくものなのです。

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