新市場でアクセル 日系トラックの危機感

激しさを増す、陣取り合戦

東南アジアでわが世の春を謳歌している日系トラックメーカー。だが水面下では、次なる基盤市場の確立に向けた陣取り合戦が、にわかに激しさを増している。

日野自動車は6月上旬、アフリカのケニアでトラックの販売を開始した。同社は政情不安や経済環境の悪化を理由に、1998年に同国での販売から一度は撤退した。だが、ケニア経済の回復を受けて再参入を決断。ライバルのいすゞ自動車や独ダイムラー傘下の三菱ふそうトラック・バスが商用車市場で7割のシェアを占める同国で、シェア奪取をもくろむ。

日野の攻勢はアフリカだけにとどまらない。4月には、パナマに中南米事務所を開設。中南米諸国で自社のトラックを販売する代理店向けに部品交換などの技術を指導し、アフターサービスを強化する。欧米メーカーの牙城である同市場でサービス体制を充実させ、差別化とシェア切り崩しにつなげる。

対するいすゞは、2012年末に中東地域で同社初となるトラック生産をサウジアラビアで開始している。13年は600台の生産を計画。将来的にはペルシャ湾岸諸国への輸出も視野に能力増強を進め、年2.5万台の生産を見込む。また、人口増加が見込まれるインドでは、16年をメドにピックアップトラック工場を稼働させる予定だ。

日野は12年度に過去最高となる15.5万台のトラックを販売した。うちインドネシア、タイ、マレーシアの東南アジア3カ国が38%を占めた。いすゞもタイでのピックアップトラックが好調で、販売台数は過去最高となる53.4万台となった。両社とも12年度は最高純益を記録。13年度も販売台数、純利益ともに記録更新を見込んでいる。

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