任天堂「スイッチ」は、Wiiを超えられるのか 今後の収益は新型ゲームの売れ行き次第

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この戦略で成功を収めたのが「Wii」(2006年発売)だ。リモコンを使ったプレーで爆発的なヒットを記録し、2009年3月期に営業益5552億円をたたき出した。一方、2012年発売のWii Uは有力タイトルの不足で苦戦、売れば売るほど赤字の「逆ザヤ」だったこともあり、2012年3月期から3期連続で営業赤字に陥った。

人気タイトルを継続的に発売できるか?

スイッチのカギになるのはソフトだ。同時発売ソフトは8本で『ゼルダの伝説』シリーズ最新作が目玉となる。今後は『マリオカート』『スプラトゥーン』『スーパーマリオ』など人気シリーズを投入する。さらに、君島社長は外部ソフトメーカーが100タイトル以上を開発中であることも明かしている。

JPモルガン証券の森はるかアナリストは「主要ソフトが出そろう今年の年末商戦が最初のヤマ場になるだろう」と分析する。

故・岩田聡前社長がスマホゲームへの参入と新型ゲーム機の開発を明らかにしたのは2015年3月。それから2年。任天堂は渾身のハードとソフトを投入し、再び全盛期の輝きを取り戻すことができるか。

渡辺 拓未 東洋経済 記者

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わたなべ たくみ / Takumi Watanabe

1991年生まれ、2010年京都大学経済学部入学。2014年に東洋経済新報社へ入社。2016年4月から証券部で投資雑誌『四季報プロ500』の編集に。精密機械・電子部品担当を経て、現在はゲーム業界を担当。

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