広がる?朝ラッシュど真ん中の「座れる特急」 出勤時もゆったり…は実現するか

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東武鉄道に4月デビューする新型特急車両「リバティ(Revaty)」(撮影:尾形文繁)

26年ぶりとなる新型特急車両「リバティ(Revaty)」の導入や、今年夏から日光・鬼怒川エリアを走る蒸気機関車「大樹」など、このところ話題の多い東武鉄道。同社は1月18日、今春4月21日にダイヤ改正を行うと発表した。

新ダイヤでは、3両単位で連結・切り離しが可能な新型特急「リバティ」のデビューに合わせ、会津田島(福島県)までの直通列車運転や、これまで臨時を除き特急のなかった東武アーバンパークライン(野田線)にも定期列車の特急が登場するなど、さまざまな変化が見られる。

これらに比べると一見目立たないが、朝の特急にもテコ入れが図られている。8時台に終点の浅草駅に到着する列車が増えるのだ。

朝ラッシュに特急「頑張って入れた」

現在、8時台に浅草に到着するのは8時48分着の「きぬ106号」1本のみだが、新ダイヤでは8時18分着の「りょうもう6号」、49分着の「きぬ110号」、58分着の「りょうもう8号」の計3本となる。特に注目されるのは、平日朝ラッシュ時の真っ只中といえる8時18分に浅草着の「りょうもう6号」だろう。現在は土休日のみの運転でほぼ同じ時間に走っているが、ダイヤ改正後は平日にも運転される。

東武鉄道の担当者は「これまでラッシュの真ん中の時間帯にはなかなか特急列車を入れられなかったが、今回のダイヤでは頑張って入れた」と話す。

浅草を起点とする東武スカイツリーライン(伊勢崎線)の強力な武器は、大手私鉄では日本一の長さを誇る、北千住-北越谷間約18.9キロメートルの複々線区間。通勤列車が多数走るラッシュ時に特急を運転できるのもその効果だ。「当社の強みの一つは複々線。路線の魅力としてPRしたい」(同社)という。

また、こちらは夕・夜間の下り列車だが、浅草方面から東武アーバンパークラインへ直通する特急の新設についても「沿線利用者の需要に応えるのはもちろん、乗り換えなしで座って帰れるなら……ということで、ぜひ沿線に住んでもらえれば」(同社)との狙いがあるという。通勤時間帯の特急を「路線・沿線の魅力」として打ち出そうという姿勢が見える。

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