大東建託、「受注高23%減」でも超強気の理由 賃貸アパートブームは続く?それとも失速?

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大東建託が2016年7月に販売を開始したカップル向け賃貸住宅「LUTAN」(写真:大東建託)

賃貸住宅事業を手掛ける大東建託が絶好調だ。1月27日に発表した2016年4~12月期の連結決算は、売上高が前年同期比5.3%増の1兆1054億円、営業利益が同21.0%増の1061億円と、ともに同期として過去最高を記録した。残り3カ月を待たずに、利益面ではすでに前期(2016年3月期)の実績を超えてしまった。

平均受注単価は9485万円

絶好調の要因は言うまでもなく、賃貸アパートの建設が増えているためだ。4~12月の賃貸住宅の完成工事高は3.2%増。件数の増加だけでなく、平均の受注単価が9485万円と前年同期比で404万円も増えたことも大きい。3階建て以上の中層階アパートの割合が増えたことが要因だ。

さらに建設費の値上げが浸透する一方で、労務費が想定ほど上昇しなかったため、工事採算が大きく改善した。完成工事利益率は31.8%と、前年同期比で2.4ポイントも向上している。

自社が建設したアパートを一括借り上げして、大家に変わって管理する不動産事業も好調だ。物件数に伴い斡旋件数が順調に増加。管理物件の入居率(居住用の家賃ベース)は、96.2%と高い率をキープしている。

経営管理本部長である川合秀司常務は「(アパートの空室率上昇など)ネガティブな報道がされることで、懸念する顧客がいることも確か。だが、相続税対策、資産活用ニーズは途切れない。まだまだ需要は多い」と、強気姿勢を崩さない。「そもそもわれわれは人口動態を勘案しつつ物件を建てているので問題はない」という見解だ。住宅金融支援機構を含めた金融機関の融資姿勢も変わっておらず、「金融機関は(大東建託の)支店に窓口を設け、アパートローン相談会を開催するほど積極的」(川合常務)と、変化のなさをアピールする。

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