知らないと恥をかく「会社関係の葬式」の作法 若手社員は受付や香典の会計を任されるかも

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「もちろん、人手が足りなければ、葬儀会社のスタッフが有料で受付でも会計でも何でも引き受けます。しかし、お金を扱う会計はリスクが高いので、本音としては引き受けたくありません。受ける場合は、特別な下請け会社に依頼したりするので、会計係の派遣費用はかなり割高に設定しています。ですから通常、会計は近所の人、親戚、会社の部下などに頼むケースが多いわけです。新人が頼まれる可能性は十分にあります」(宮南さん)

3つ目は、駅から会場までの道案内。プラカードやちょうちんなどをもって参列者を誘導する。誰でもできる単純作業なので、新人が最も頼まれやすい。まれに駐車場係を部下に頼むケースもあるという。

「会社によって、葬儀のときには人事部などから各部署に応援スタッフの割り当てがくる場合もあります。そうした場合は、まず新人が指名の対象になるようです」(宮南さん)

場合によってはまったく知らない課長や部長の家の葬儀を手伝うケースもあるわけだ。手伝いに指名された場合はもちろん礼服の着用が必須となる。いざというときに慌てないように、礼服と靴は用意しておきたい。この機会に数珠もそろえておけばパーフェクトだ。

とはいえ、実際は新人が上司や先輩の親族の通夜や告別式などに出席するケースは少ない。ゾロゾロと大勢で行けば、逆に迷惑になることもあるし、一般にそこまでの付き合いはないからだ。そこで、部や課を代表して数人が参列するケースが多い。代表は、基本的に上司や先輩と親しい人が務めるので、新人が選ばれることはまずないだろう。また、最近は家族葬を選ぶ人も増えているので、そもそも会社の人は誰も呼ばれないことも珍しくなくなった。

代表者だけが参列するケースや家族葬のケースでは、香典を個人ではなく、「〇〇課一同」「〇〇事業部有志一同」といった共同名で出すことが多い。参列する人がいれば、その人に預け、誰も参列しないならば、上司が出社したときに直接手渡す。1人1000円ずつとか、1万円を頭数で割るなど、職場によっていろいろなパターンがあるので、まずは先輩たちからの指示を待とう。連名で弔電を打つこともある。

出席できない場合は、出席者に香典を預ける

一方、本来なら出席すべきだが、急な出張などで出席できないケースもあるだろう。「そうした場合は、出席する友人や知人に香典を預けて届けてもらいます。もし気持ちを伝えたいならば、弔電(お悔やみ電報)を打っておくのがスマートでしょう。お世話になった上司なのに、地方の支店にいて出席できないとか、預けるタイミングを逸した場合、弔電を打ち、香典は後日、現金書留で送ります。その際は、一筆箋で構わないので、必ず手紙をつけましょう」(宮南さん)。

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