FBインスタント記事の新機能が好評なワケ 「毎日閲覧する習慣が付く」と歓迎の声

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エル・パイスもまた、記事5本のセットを毎日朝7時に配信している。そこには速報から、社説、深い調査報道からビデオなど、いろいろな種類の記事が含まれている。

エル・パイスはポルトガル語とカタルーニャ語のふたつで発行されており、ブラジルかスペイン北部、どちらの読者に読まれるかによって言語を変えている。「フェイスブックが位置に基づいたターゲッティングができること、そしてインスタント記事によって良い意味で混乱が起きているおかげで、年齢と地理的な面で新しいオーディエンスがもたらされている」と、アラデーテ氏は言う。

フェイスブックからのトラフィックは2倍に

昨年インスタント記事を使いはじめて以来、彼らは毎日250本ほどの記事のうち100本ほどをこの方法でプッシュするようになった。結果には満足しているものの、まだすべての記事をインスタント記事で閲覧できるようにするのは、ためらっているようだ。彼らのコマーシャルチームが広告収益について分析が終わり次第、記事すべてを閲覧可能にする計画を立てている。

アランデーテ氏によると、「インスタント記事のおかげで、私たちのフェイスブックからのトラフィックは2倍になった。過去2年間は、少なくとも75%のフェイスブックトラフィックの増加が見られていた」そうだ。しかし去年に限ると、通常のフェイスブックからのトラフィックは横ばいだったとのこと。12月になってはじめて、通常のフェイスブック上でのリンクシェアからのトラフィックが50%、インスタント記事からが50%という成果が見られたという。

私たちが今回の記事で取材をしたパブリッシャーたちは、フェイスブックとの関係に満足しているようだったが、常に調整や修正が必要となることは確実だ。「フェイスブックのこれまでの歴史では常に、事前の知らせもなくこういった関係を変更している。これがどうなっていくか、注視していかないといけない」と、フォレスターのシニア・アナリスト、スーザン・バイデル氏は語った。

Lucinda Southern(原文 / 訳:塚本 紺)

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DIGIDAY[日本版]編集部

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