秀逸?“ランナー”猫ひろしのビジネス感覚 2つ以上の特技を生かして「稼ぐ」方法

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稼ぎは芸人<ランナー?

猫は「芸人としておいしいから」という理由と、今後の「芸人ランナーとしてのキャリアアップ」を狙って、ロンドン五輪の出場をもくろんでいた。現在は国籍を日本に戻すために動いているという報道もあるが、転んでもただでは起きなかった。オリンピック騒動でメディア露出が増えたこともあり、その後、”ランナー”としての仕事が充実しているのだ。

TBS感謝祭の赤坂5丁目ミニマラソンや東京マラソンなど、マラソン関係の番組にはかなりの頻度で登場。マラソン関連の著作を出版し、GPSウォッチのプロモーションにも起用されているほど。

そして、見逃せないのが、市民大会の「ゲストランナー」という仕事だ。レースの規模などによるが、少なくとも1レース当たり、20万~30万円のギャラを受け取っているはずだ(50万~100万円という報道もある)。そのほかにも多くのランニング関係のイベントなどをこなしており、「ランナー」として、「芸人」の数倍は稼いでいることは間違いないだろう。

日本の女子記録より遅いが……

では、オリンピック代表を本気で目指した猫の、ランナーとしての実力はどれぐらいなのか。フルマラソンの自己ベストは2時間30分26秒で、今年2月の東京マラソンでも2時間30分41秒のセカンドベストで走破している。雑誌『ランナーズ』が集めたデータによると、2時間30分台というタイムは昨年度、日本国内でフルマラソンを完走した20万人以上の中で、上位0.3%に入る好タイムだ。

前回のコラムでも取り上げた”公務員ランナー”の川内優輝は別格としても、仕事をしながら走っている市民ランナーという目線で見れば、猫はかなりのハイレベル。ローカルな市民大会なら上位争いできるほどの実力だ。しかし、ランニング関連の仕事で稼いでいる現状を考えると、「プロランナー」といっても過言ではない。では、真剣に競技をしている選手たちと比べたらどうだろう。

フルマラソン2時間30分というタイムは、女子の日本記録(2時間19分12秒/野口みずき)よりも10分以上も遅い。ちなみに猫が箱根駅伝(1区間が約20km)に出場したとすると、学生ランナーたちにほんの3kmでも食らいつけるかどうか、断トツの区間最下位に沈むレベルだ。

次ページ二流の技をあわせれば……
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