LINE、業績絶好調でも拭えない3つの「不安」 NAVERまとめ「新方針」の進捗は?

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出澤剛社長(左)は今期もゲームを10本強投入すると宣言した。右は舛田淳CSMO(撮影:尾形文繁)

「LINEポコポコ」「LINE:ディズニーツムツム」など、リリースから2年以上が経過しているタイトルは「こちらが想定している以上に長く遊んでいただいている」(出澤社長)ものの、新規タイトルでは目立ったヒットが出ていない。全体のユーザー数や売り上げは下降トレンドにある。

今期も前期同様、ゲームでは10本強の新規タイトルを出していく見通しだ。LINEのプラットフォームを活用し、ゲーム内にもユーザー同士のやりとりがしやすくなるような機能を盛り込む方針だが、他社も含め大きなヒットが出にくくなっている今、回復の可能性は未知数だ。

新規と既存事業のバランスをどうとるか?

LINE内のトークで活用できる「スタンプ」の販売にも不安が残る。スタンプを含むコミュニケーションサービスの売り上げは、ここ1年半ほど、四半期ごとに漸減する傾向が続いてきた。

昨年末から年始にかけて展開した「LINEのお年玉キャンペーン」では、今回初めて投入した「お年玉付き年賀スタンプ」の販売が好調に推移したものの、このような季節キャンペーンを継続的な成長につなげられるかは今後の課題になるだろう。

これら以外にも、同社はMVNOサービス(通信会社の回線を借りた格安スマホサービス)である「LINEモバイル」、クレジットカード決済やLINEの友達への送金ができる「LINE Pay」など、育成中の事業も複数抱える。

こうした分野に積極的な投資を振り向けていくためには、広告はもちろん、ゲームやスタンプなど、既存事業で安定的に収益を出すことが不可欠。広告が好調である今のうちに、そのほかの事業で再成長のきっかけをつかむことが重要なポイントになる。

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