鈴木おさむ「僕はイクメンと名乗りたくない」 森三中・大島美幸が産後半年で復帰した理由

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田中:僕も晩婚なので、40代で子どもができましたが、平均的には30代で結婚して、出世レースが忙しいときに子どもが生まれます。するとやっぱり、そこで休むというのは厳しいですよね。鈴木さんも、30代前半だったら休むという選択は……。

鈴木:……していないと思いますね。30前代半だと「それじゃあ、お前はもういらない」と言われてしまうでしょう。仕事の土台を作るのが20代だとしたら、30代はいちばん脂が乗る時期。それが40代になって、やっと俯瞰(ふかん)的に自分の人生を見られるようになりました。

もちろん今回だって、1年仕事を休んでなくしたものはあります。でも、そこから得たもののほうが多い。

田中:鈴木さんのように、人生をトータルで考えてこの1年を休む、という考え方は、意外とみんなできないんじゃないのかなと思います。

鈴木:うちの奥さんが世の中に大々的に妊活休業すると言ったことにも後押しされました。奥さんは、2014年の5月から「妊活」のために仕事を休みました。

休むといっても、妊娠ではなく妊活なんです。一芸人が妊活で休んだら、もっと仕事が減るかなと思っていましたが、ありがたいことに「待ってるよ」と言われることが多かった。僕はスタッフとして、それがどれだけ大変なことかよくわかるんです。だからこそ、彼女を早く仕事に復帰させてあげないと、と思ったんですよ。僕が家にいて、フォローできれば、復帰させられるかなと思いました。

妻が海外ロケで1週間不在!! そのとき鈴木氏は……

そのうえで今振り返って、やっておいてよかったと思うのが、子どもがゼロ歳児のときに、母親の「ぱいぱい」なしで自分が抱いて寝かせる特訓をしておいたこと。赤ちゃんを寝かせる方法として、授乳しながらがいちばん楽なので、うちの妻もそれをやっていたんです。

これを見て、僕はぞっとしました。こうして寝ることを覚えてしまったら、妻が仕事でいないときにどうやって寝かせるんだと。妻は、出産後半年で仕事に復帰することを決めて、復帰後の初仕事が、『世界の果てまでイッテQ!』の収録で1週間海外に行くことでした。

そこで僕は、妻がいなくなる日を想定して、自分の体で寝るということを覚えさせました。人間の赤ちゃんもやっぱり動物なので、母親の体で寝るというのは、お母さんのにおいや体のフォルムを覚えているからなんですね。だから、ゼロ歳から1歳までの間に自分のにおいやフォルムを覚えさせたら、寝てくれるようになるわけです。

田中:子どもがゼロ歳や1歳の時点で、もしお母さんしか寝かしつけられないようになってしまうと、それ以降もやっぱりお母さんがいないと寝られなくなってしまいます。すると、あとからお父さんがやる気を出しても時すでに遅し。そして、だんだん子どもと疎遠になり、「やっぱり仕事をしていればいいか」ということになりかねません。家族というチームでどう頑張っていくかを考えたとき、子どもが生まれた直後から、父親が子どもとしっかり向き合うことは、何より優先されるべきなんです。

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