地下鉄を便利にする「東京メトロ」次の一手 ベンチャー企業から新たなアイデアを大募集

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東京メトロがベンチャー企業と組んで新たな取り組みを始めた(撮影:尾形文繁)

百貨店、遊園地、劇場、球場、レストランをはじめ、鉄道会社は、さまざまな事業を展開しながら発展してきた。満足させる主役は旅客だったり、沿線住民だったり、ターミナル駅で働くビジネスパーソンだったり。こうした施設やサービスが電車に乗ったり、駅構内を歩いたり、沿線の散歩などを快適にしていることは間違いない。

東京メトロの経営資源を使って何ができる?

鉄道会社ができることは、まだまだある。東京地下鉄(東京メトロ)がそんな可能性にチャンレジするプログラムに取り組み始めた。「Tokyo Metro ACCELERATOR 2016」という、スタートアップ企業を対象にした一種のビジネス・コンテストだ。

テーマは、「東京メトログループの経営資源と社外のアイデアで新しい価値の創造に挑戦」。では、具体的な経営資源とは何か。それは、「1日707万人の乗客」「都心部を中心にした地域の玄関口である179の駅」「駅構内広告」「デジタルサイネージ」「337編成の車両」「駅構内店舗」「フリーペーパー」などだ。

自分だったら、どの経営資源を使って、どんな提案ができるのだろうか。ちょっと想像するだけでもワクワクする。スタートアップの起業家なら、なおさらだろう。東京メトロは、スタートアップ企業と事業会社のコラボレーションを支援する会社、Creww(クルー)を通じて、応募企業を集めると、138件のエントリーがあったという。

昨年11月11日に1次審査が行われ、33企業が通過。通過企業に対しては、東京メトロの社員が1人ずつコーディネーターとしてついた。技術系だったり、企画系だったり、コーディネーター役の社員の所属はさまざまだ。ここから先は、アイデア豊富なスタートアップ企業と社内事情がわかっているメトロの社員の二人三脚で、応募したプランを実現性のある提案にブラッシュアップしていく。

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