沖縄移住特集

沖縄という相対感のなかで創造性豊かに可能性を広げる

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人間関係を最優先し飛躍的に生産性が向上

リゾートホテル再生のため沖縄に来た樋口氏が、まず経験したのは「みんなで頑張っていいホテルにし、収入を上げて生活を豊かにしよう」と言っても、まるで動かない現場だった。従業員たちは、本土的な価値観で大切と思うものとは、まったく違うものを見ていたのだ。「彼らが人間関係のなかで大切にすべきもの、絶対に欠かしてはいけないものは、文化的、社会的に違う本土の人間には見えないのです」。

それを契機に、樋口氏は成果主義・能力主義を完全に撤廃し、人間関係を最優先する経営手法に変えた。思いやりを、事業の手段ではなく目的にし、実践したのである。それにより、10年以上にわたり実質赤字経営だったリゾートホテルを、1年足らずで高収益企業に再生した。そこで実証されたのは、顧客に対し人間としてやさしく接するという当たり前の行動に、ものすごい生産性があるということだった。

「たとえば、チェックインしようとする家族の横を、ホテルの造園管理をしている75歳くらいのおじさんがたまたま通りかかります。彼はよく来たねといって、あまり手助けにもならないけれど、自分が持てる荷物を持ってあげてロビーに案内する。おもてなしという以前に、時間に余裕を持って人と接することができる環境がやさしさとなり、目に見えない形で飛躍的に生産性を上げているわけです」。

顧客が書いたアンケートには、たまたま旅行代理店に勧められてこのホテルを選んだが、造園のおじさんまでやさしく接してくれて、自分たちもやさしい気持ちになり、このホテルにして本当に良かった。また1年働いてお金を貯め、来年も来たいと書いてあったという。「これって、アンケートじゃなくて、ラブレターに近いですよね」。こうして、ホテルの顧客満足度は驚くほど向上したのだ。

樋口氏は、沖縄に来て、沖縄の人に接し、大きく価値観を転換することになり、人間がそうした素晴らしい生産性を生み出せることに気づいたのだと話す。「もちろん、そのためには長い時間をかけて身につけた価値観を脱ぎ捨てる勇気も必要ですし、傷つく経験もしなければなりません。しかし、その相対感にぶつかる経験から、とてつもない価値を得ることになるんです」。

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