「私は経営者を死ぬまで続けますから」−−日本電産の株主総会で永守節連発

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「私は経営者を死ぬまで続けますから」−−日本電産の株主総会で永守節連発

日本電産は24日、京都市内のホテルで定時株主総会を開催した。第35期となる今回の総会には、前年より約90名多い660名の株主が出席。13名21件の質問に対し、永守重信社長が歯切れのよい答弁を展開し、会場は終始なごやかな雰囲気だった。

同社は前08年3月期決算で、売上高、営業利益ともに過去最高を更新。今09年3月期も売上高8000億円、営業利益900億円と増収増益を見込む。業績が絶好調とあって、永守社長も「原油価格が高騰する中で、わが社の省エネタイプのモーターが世界的に注目を集めている」と”舌”好調。「15年度に売上高2兆円目標を掲げていますが、これは少し法螺(ほら)がかかっています」と独特の言い回しで、会場を沸かせる場面も少なくなかった。

一方で、株主からは厳しい質問も。「配当が少ないのでは」との質問(注:08年3月期実績は年間配当55円、配当性向19.4%)に対し、永守社長は「(成長のための先行投資を積極的に行う一方で)配当も着実に増やしている。ただ、今後は配当性向30%に向かって、段階的に増配させていただく」と回答した。

また、「会社名の知名度が低いが、テレビCMなどは考えていないのか」との質問に対しては、「わが社は部品会社ですので、一般消費者向けの製品を扱っているわけではないが、社員やその家族が喜ぶためにも、今後は知名度を上げていかなければならないだろう。営業利益1000億円を達成したらテレビCMをやろうと、社内では言っている」と答えた。

さらに、後継者問題への質問に対しては、「私はしばらく辞めませんよ。会長とか、最高顧問とか肩書きは変わるかもしれませんが、死ぬまで続けますから。ご安心ください」と答弁。会場からは拍手が起こった。

総会後の記者会見でも、「今期の業績は目下のところ、計画通りに進んでいる」「M&Aの持ち込み案件は例年以上に増えている」と、永守節は止まることがなかった。業績の好調ぶりを強く印象づける株主総会だったと言える。
(梅咲 恵司 撮影:平岡スタジオ =東洋経済オンライン)

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