茨城空港、開港7年で見せ始めた意外な健闘 北関東の「空の玄関」、活路は陸にあった

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北関東地域における「空の玄関」である茨城空港(写真:筆者提供)

茨城空港。茨城県の県庁所在地がある水戸から高速道路を使って車で約30分、つくばから同約40分の小美玉市内に位置する地方空港だ。2010年3月の開港から約7年。日本国内の空港が過剰だと指摘される中で、北関東地域における「空の玄関」として、意外な健闘を見せ始めている。

国内線利用者は増加

茨城空港は2010年3月に開港(写真:筆者提供)

スカイマークは1月20日、茨城空港から発着する3月26日以降の運航ダイヤを発表した。これまで1日1往復だった札幌便を同2便に増便。3往復だった神戸便は2往復に減らす一方、神戸を経由していた那覇便を直行便へ切り替える同1往復で運用する。

茨城空港から国内線を発着しているのはスカイマークのみ。福岡便は同1往復のままで従来どおりの継続ながら、現在合わせて同5往復の国内便は3月26日以降に同6便へ純増となる。沖縄直行便の運航開始も併せて背景にあるのは、利用者の増加だ。

茨城空港はもともと防衛省・航空自衛隊が管理する「百里飛行場」として運営されていたところに、茨城県が民間空港としての共用化を進め、2010年3月に開港した。民間空港としての歴史は浅い。

東京航空局の調べによれば、茨城空港の国内線利用者は開港当初の2010年度には10万人弱にすぎなかったが、2014~2015年度はそれぞれ40万~41万人程度まで拡大した。2016年度は2016年11月末までの累計で31.4万人と前年同月比約1割増。過去最高(2014年度の41.8万人)の更新をうかがうペースで推移している。

東洋経済オンライン編集部が茨城県の空港対策課に取材したところによれば、「はっきりとした要因は分析しきれていないものの、国内線については少しずつ知名度が浸透してきている。昨2015年度に実施した利用促進キャンペーンも『バラマキだ』との批判を受けた一方で、認知度が高まるきっかけになったようだ」(担当者)という。

その利用促進キャンペーンとは、2015年5~7月の国内線利用者、先着3万人向けに実施したギフトとギフトカタログを合わせて1人ざっと9000円程度の特典だ。茨城県が6億4000万円程度の補正予算を投じた。

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