中学受験で頻出!はやく解く「算数の裏ワザ」 「速さ」の単位換算が一瞬でできるテクニック

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では、どうしてこの裏ワザが成り立つのでしょうか。知識だけでなく、その成立理由を押さえることも大切です。お子さんには、この裏ワザが成り立つ理由もできれば教えてあげてください。

この裏ワザが成り立つ理由を押さえよう!

【時速△kmを秒速□mに直すには、△÷3.6を計算すればよい理由】
時速△kmとは、「1時間に△km進む速さ」である
1km=1000mなので、△km=(△×1000)m
1時間=60分、1分=60秒なので、
1時間=(60×60)秒=3600秒
1時間(3600秒)に(△×1000)m進むから、1秒間で進む距離は
(△×1000÷3600)m
「1000を掛けて3600で割ること」は、「(3600÷1000=)3.6で割ること」と同じだから、(△×1000÷3600)mは、(△÷3.6)mに変換できる
これにより、時速△kmを秒速□mに直すには、△÷3.6を計算すればよいことがわかる
※ 逆に、秒速□mを時速△kmに直すには、□×3.6を計算すればよい

以上が、「時速△kmを秒速□mに直すには、△÷3.6を計算すればよい」裏ワザが成立する理由です。

『小学校6年間の算数が1冊でしっかりわかる問題集』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

※に書いたように、逆に「秒速□mを時速△kmに直すには、□×3.6を計算すればよい」ことも押さえておきましょう。これによって、たとえば、秒速21mなら、「21×3.6=75.6」という式から、時速75.6kmにスムーズに変換できます。

はじめに述べたように、「速さ」は中学入試で頻出の分野です。さらに言えば、速さの問題をすばやく正確に解けるかどうかで、入試の合否が分かれることさえあります。ぜひ、今回紹介した裏ワザと、その成立理由などを、お子さんと一緒におさらいしてみてください。

受験までのあとわずかな時間でも、点数を伸ばすためのさまざまな能力やテクニックは身に付きます。最後まであきらめないみなさんに、春には美しい桜が咲くことを祈っています。

(構成:山岸美夕紀)

小杉 拓也 東大卒算数・数学プロ講師、志進ゼミナール塾長

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こすぎ たくや / Takuya Kosugi

東大卒算数・数学プロ講師、志進ゼミナール塾長。東大在学時から、プロ家庭教師、SAPIXグループの個別指導塾などで指導経験を積み、常にキャンセル待ちの人気講師として活躍。現在は、自身で立ち上げた中学・高校受験の個別指導塾「志進ゼミナール」で生徒の指導を行う。毎年難関校に合格者を輩出。指導教科は小学校と中学校の全科目で、暗算法の開発や研究にも力を入れている。数学が苦手な生徒の偏差値を18上げて、難関高校(偏差値60台)に合格させるなど、成績を飛躍的に伸ばす手腕に定評がある。おもな著書に、『小学校6年間の算数が1冊でしっかりわかる本』や、『中学校3年間の数学が1冊でしっかりわかる本』(ともにかんき出版)などがある。
 

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