月給5万円の旅役者に嫁いだ元OLの悪戦苦闘 親に勘当された娘は覚悟を決め幸せを掴んだ

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それ以上に深刻な問題があった。とにかく、お金がないのだ。みやびさんの劇団での立場は、見習い雑用係としての居候。休みは月に一度あるかないかの激務に追われていても、給料はゼロ。生活は夫の給料だけが頼りだったが、夫も夫で売れない役者。食費や宿代を差し引かれると、手元に残る給料はたったの5万円。親子3人が生き抜いていくために、みやびさんはOL時代には考えられなかった驚きの行動に出る。

資金繰りの苦労が絶えない旅一座では、「御贔屓さん」と呼ばれるファンからの差し入れが劇団員の暮らしを支える命綱。みやびさんはこの御贔屓さんに「オムツをください。粉ミルクをください」と頼り、なんとか食いつないでいった。もう、なりふり構ってはいられなかった。だが、みやびさんを苦しめたのは貧困だけではなかった。

芝居もわからない元OLに容赦ない「いじめ」

実は、「旅一座」のルーツは「歌舞伎」と同じ。時代と共に格式が高まった「歌舞伎座」に対し、庶民の娯楽としての伝統を守り続けてきた「旅一座」にも、プロとしての強いプライドがある。そのため、元OL妻に、古株劇団員たちは、こんな言葉を囁いた。「芝居もわからないくせに、よく役者の妻が務まるよな!」芝居もわからない元OL妻に、容赦ない「いじめ」が付きまとっていたのだ。

旅一座での生活はみやびさんの想像を絶する苦しさだった。TBSテレビ『 結婚したら人生劇変!〇〇の妻たち』次回放送は1月23日(月)よる7時~です

そんな彼女の目に入ってきたのは、仕事を終え家路につくOLたちの姿。それはまさしく、かつての自分。「あの頃は良かった」と思わずにはいられなかった。

そして、結婚から2年。積もり積もったストレスに、心も体も限界に達したみやびさんは、ついに、息子をつれて劇団を飛び出した。後先なんか考えてはいない。とにかく「今の暮らしから逃げたい」一心での行動だったが、そこには大きな問題があった。

実はみやびさんは、売れない旅役者と結婚する際、親から勘当を受けていた。親の反対を押し切って旅一座の世界に飛び込んだみやびさんに、帰る場所などどこにもなかった。そこで、みやびさんは思う。

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