「エレベーター」でバレる!二流の人の3欠点 「感じの悪い人」が多すぎ!あなたは大丈夫?

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では、世界中の一流の人たちは、どのようにエレベーターに乗っているのだろうか。「目的地の把握」「あいさつ」「他人への配慮」は当然として、一流の人が実践しているポイントを2つ紹介しよう。

1. 本当に偉い人ほど、エレベーターでも謙虚

私の尊敬する元上司で、世界的な投資銀行でトップまで上り詰めた人は、いつも徹頭徹尾、謙虚であった。トイレの洗面台の水しぶきは自分で拭いているし、会食でも部下にお酌をする。

おまけに、エレベーターに乗ると必ず、部下や秘書さんなど、いわゆる目下の若手の人たちを先に降ろし、つねに配慮の姿勢を崩さないのだ。

これに対し、恥ずかしすぎるのが、古臭いことにエレベーターの立ち位置ひとつで部下を叱責したり、エレベーターに乗るのも降りるのも自分が一番だと信じてやまないような、偉ぶった二流の人たちである。

エレベーターの中での立ち振る舞いをみれば、その人が「目下の人」や「若い部下」にどのように普段、接しているのか、一発でバレてしまうのである。

2. 「エレベーターピッチ」ができる

英語に「エレベーターピッチ」という言葉がある。エレベーターで乗り合わせた上司やお客さんに、降りるまでの30秒間で自分をアピールする話をするというものだ。

驚きの実例なのだが、私の知人にも、1分そこらの「エレベーターピッチ」で、投資家を獲得した起業家がいる。

彼は弱冠20代前半の、大学を卒業して間もない男だが、エレベーターピッチの「3分バージョン」「1分バージョン」をつねに用意し、洗練させることで、いつか来るかもしれない機会に備えていた。

そしてあるとき、たまたまエレベーターで出くわした著名な起業家に、ここぞとばかりに「エレベーターピッチ」を食らわせ、見事に「シードマネー」(立ち上げ金)の3000万円を本当に獲得したのだ。

エレベーターに乗る時間を、単に「上の階に上がる手段」ととらえるか、「ビジネスにつなげる機会」ととらえるか。エレベーターの乗り方ひとつをとっても、一流と二流の間には、深淵な隔たりが存在するといえよう。

実は私も「高橋名人」をやりがち…

本記事では、エレベーターの乗り方でバレる「計画性」「社交性」「他者への配慮」「謙虚さ」そして「起業家精神」の有無について語ってきた。

しかし、最後に白状してしまえば、私はどちらかといえば、一番最後に走って割り込んで、後の人が入ってくる前に「高橋名人」と化してボタンを押しまくり、行き先を忘れて降りる階を間違え、再度1階に戻りがちな「二流のエレベーター搭乗者」の代表選手である。

しかし、私を含めた「二流のエレベーター搭乗者」がそのような生き方を続けるかぎり、シンドラー社のエレベーターの故障を心配するよりも、自分の人格的な故障を心配するのが先決なのは、言うまでもない。

今回論じたことを実践できないようであれば、今後は「エレベーターに乗る資格停止処分」を自分に下し、エスカレーターに乗るなり、非常階段を歩くなりして、「二流にふさわしい移動方法」でひっそりと上の階に移動することを、強く推奨する次第である。

ムーギー・キム 『最強の働き方』『一流の育て方』著者

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Moogwi Kim

慶應義塾大学総合政策学部卒業。INSEADにてMBA取得。大学卒業後、外資系金融機関の投資銀行部門にて、日本企業の上場および資金調達に従事。その後、大手コンサルティングファームにて企業の戦略立案を担当し、多くの国際的なコンサルティングプロジェクトに参画。2005年より外資系資産運用会社にてバイサイドアナリストとして株式調査業務を担当した後、香港に移住してプライベート・エクイティ・ファンドへの投資業務に転身。英語・中国語・韓国語・日本語を操る。著書に『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』と『一流の育て方』(母親であるミセス・パンプキンとの共著)など。『最強の働き方』の感想は著者公式サイトまで。

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