日本株は「3勝9敗」でもちょっと買いにくい 「郵政売り」出し方針で「売り優勢」になった?

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ここでの重要なポイントは、長期投資家の売買コストとされる200日線(17日時点では1万7052円)と株価の位置と、その2つ「かい離」である。通常、株価が200日線から大きく下に放れ、そのうえで「3勝9敗」であれば、これ以上の下値余地が限定的になるとみなされ、比較的精度の高い「買いタイミング」となる。しかし、今回は株価が200日線の上にあるなかでの「3勝9敗」だ。調整未了感が残り、ふたたび下落することも想定されるというわけだ。

日経平均の長期上昇トレンドは「上昇維持」

ただ、弱気も禁物だ。日経平均の200日線の方向性は上に向いている。これは「長期トレンドは上昇」を意味する。17日もほぼ全面安となったものの、東証1部売買代金が2兆円前後と低調にとどまったことは、むしろ好材料だ。東証の売買シェアの6~7割握る海外勢の売りが限定的との見方もできるからだ。

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20日にトランプ米次期大統領の就任式を控え、米国の行き過ぎた保護主義政策への警戒感が高まる。「押し目待ちに押し目なし」だった日本株も、サイコロジカルラインでは3勝9敗だ。

下げないと買えない年金マネーや日銀マネーの動きにあわせ、下がったところで拾うタイミングかもしれない。変な語呂合わせといわれそうだが、しばらくトランプとサイコロの動きから目が離せない。

さて、私が所属している非営利の団体・日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)では、「テクニカル分析について学びたい」という読者の方々のためにハンドブック(初級編①)を作成しました。前回大好評をいただいた基礎編に続く冊子です。無料で配布しておりますので、興味のある方は、NTAAのHPからぜひお申し込みください。なお、基礎編とあわせて2冊申し込むことも可能です。

中村 克彦 みずほ証券 シニアテクニカルアナリスト

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なかむら かつひこ / Katsuhiko Nakamura

IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA)、日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)評議員。

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