任天堂スイッチはコントローラーが凄かった 単品のスペックではなく、「仕掛け」で勝負

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大人気シリーズ「Splatoon 2(スプラトゥーン2)」もリリースされることが明らかになった(撮影:田所千代美)

今後は、任天堂以外のソフト各社がスイッチの独自機能を生かしたゲームを出してくるかどうかが焦点となる。

そのために重要となるのは普及台数だ。据え置き機で先行するPS4はすでに5300万台の累計販売台数を誇る。あるソフト会社幹部は「ゲームの開発費は年々高騰しており、その分採算が取れる販売本数のハードルも上がっている。ビジネスのことを考えると、スイッチの普及が進まないうちは、大作ほどPS4とのマルチ展開になりやすい」と事情を話す。

普及に当たり、当面の起爆剤として期待されるのは、やはり任天堂の持つ強力なソフト群となる。プレゼンテーションと試遊会では「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」のほか、「スプラトゥーン2」、「スーパーマリオ オデッセイ」などのビッグタイトルが発表された。

お目当てのソフト発売を待ってから買う動きに?

スイッチと同時発売となる「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」。期待のタイトルだ(撮影:田所千代美)

ただ、これらのうちスイッチと同時発売となるのは「ゼルダ」のみで「スプラトゥーン」は夏、「スーパーマリオ」は冬に発売される予定だ。ソフト発売を待ってからスイッチを買う動きも出るかもしれない。

とはいえ、ゲーム普及をリードするのは既存の大型タイトルに限らない。世界で1億台を売り上げたゲーム機「Wii」では健康管理ソフト「Wii Fit」が爆発的にヒットしたことが普及の大きな後押しとなった。

フタを開けるまで成否がわからないのが新型ゲーム機。大成功に終わったWiiの後を受けた「WiiU」は1500万台足らずの販売台数だった。今回はどうか。スイッチにかかわるすべての人間が期待と不安を抱えながら、3月3日の発売日を待つことになる。

渡辺 拓未 東洋経済 記者

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わたなべ たくみ / Takumi Watanabe

1991年生まれ、2010年京都大学経済学部入学。2014年に東洋経済新報社へ入社。2016年4月から証券部で投資雑誌『四季報プロ500』の編集に。精密機械・電子部品担当を経て、現在はゲーム業界を担当。

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