次期都議選で「小池新党」はどこまで伸びるか お膝元の豊島区が今後のカギに

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「我々の弱点は2013年の都議選で全員当選してしまったことだ」

自民党東京都連に属する地方議員がこう述べる。「あれが異常で、無意味に膨らんだ。次期都議選では当然いくらか議席を失うだろうが、それは正常化への道だと思う」。

だが自民党が千代田区長選でもし負けた場合、痛手にならないのだろうか。「現状を維持するだけなので、影響は少ない。区長選で負けると内田氏が次の都議選に出馬できず、政治生命が消えるという報道もあるが、そもそも内田氏は都議でいるから力があるわけではない。都議でなくても内田氏の力は変わらない」。

小池新党は自民党の脅威ではない?

では小池新党結成は脅威ではないというのか。

「大阪維新の会が結成された時、自民党議員が大挙して押し寄せた。しかし小池新党にさほど自民党議員が押し寄せているのかといえば、選挙を控える都議には多少の動きはあるものの、その他の市議や区議レベルでは大きな影響があるようには見えない。小池新党は大阪維新の会のようにはならないと思う」

確かに大阪維新の会の場合、「維新」という名前さえあれば当選できるほどの人気を博した。小池新党はそれほどの力があるのかどうなのか。

だがピンチに強い小池知事。強運はまだ残っているようだ。というのも1月14日、東京・豊洲市場での地下水の最終サンプリング調査で72箇所で基準値超え、そのうち9箇所で基準値の10倍を超えたという結果が判明したからだ。

小池知事が昨年11月の築地市場豊洲移転を延期したことはさまざまな批判を生んだが、「小池知事の判断で、都民の食の安全が守られた」こという風潮に変わるだろう。

「これで千代田区長選も都議選も安泰だな」。皮肉を込めた嫉妬のような声があちこちから聞こえる。そしてそういう嫉妬こそ、小池知事のエネルギー源なのだ。やはり小池知事の高人気は止まりそうにない。
 

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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