次期都議選で「小池新党」はどこまで伸びるか お膝元の豊島区が今後のカギに

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そもそも公明党は支持母体による組織票に加え、保守票を掘り起こすことで当選圏に入ってきた。それなのに小池新党から候補を立てられたら、その保守票をざっくりととられかねない。昨年12月14日に長年盟友関係にあった自民党都議団と決別し、せっかく小池知事と歩調をあわせようとしたのに裏切られたという思いがチラチラと見える。

加えての懸念材料が共産党だ。同党の米倉氏は2月に29歳になるが、2013年の都議選では同年に行われた参院選に出馬した吉良佳子氏とともに“若手のビジュアル系”として共産党躍進の原動力になった。実際のところ、米倉氏の評価は吉良氏よりも高いといってよい。

「吉良氏は2009年の都議選で豊島区から出馬して落選した。参院選で当選してから週刊誌に異性関係の記事を書かれたこともある。しかし米倉氏はそういう傷も不祥事もなく、昨年は民青の委員長と結婚し、私生活も落ち着いている。さらに今年の区長主催の新年会で、共産党議員として異例の乾杯の音頭も任された。次期都議選ではさらに票を伸ばすだろう」(豊島区関係者)

小池知事と公明党の関係は微妙

よってもし小池新党系の候補が擁立されるなら、公明党が受ける影響は決して小さくない。下手すれば弾き飛ばされる危険性もある。小池知事の人気で都議選の注目度が高まって投票率が上昇しても、組織政党である公明党にとっていっそう厳しくなる。そうした懸念について、公明党のある都議がこう述べた。

「小池知事側から『早く与党宣言してくれ』とせっつかされているが、まだできないな。当分は是々非々でいかないと」

表面上は“相思相愛”に見える小池知事と公明党との関係だが、実際には互いに生き残りをかけて大決断を強いているわけだ。

一方で小池知事と対立する自民党はどうなのか。

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