稼げない男が軽視する「服が与える第一印象」 無難な見た目ではその他大勢で終わるだけだ

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服飾戦略のスタイリングでは、ネクタイやカフリンクス、タイバーが重要な役目を果たす。特にネクタイは、「第一印象」と重なり、相手の記憶に残る。ゆえに、セレクトの基準にするのは、クライアントのビジネスの内容を象徴するのに有効な色や柄を選定することだ。

Y氏の場合、「アフリカの大地」を連想するグリーンの地色に、象など野生動物のモチーフを取り入れたサルヴァトーレ・フェラガモの小紋柄の一本をセレクトした。

「情報の民主化」はアフリカの経済発展のカギでもあり、農業従事者向けの情報プラットフォームを構築するために訪れたシリコンバレーでもこのネクタイを褒められることが「アイスブレイク」になり、ビジネスが以前よりスムーズに進むことが多くなったという。

「どんな場でも軽く扱われない」ための一着

I氏は、シンガポールに本拠を構える国際税理士である。世界的に有名な歌手の来日公演の税務を担当することもある。そんなI氏からのスタイリング依頼は、「どこの国の、いかなる立場の人にも信用してもらえる服をスタイリングしてほしい」とのことだ。

実はI氏、以前、シンガポールの高級ホテルのバーで、軽くあしらわれたことがあったという。その時には、友人に紹介されたスタイリストが選んだ服を身に着けていたそうだ。

その時の写真を見せてもらうと、ピンクのワイシャツに大胆なペイズリー柄のネクタイ、フラワーホールには鎖付きの飾りピン。「今は、こういうのが流行っている」と勧められたそうだ。

解説するまでもなく、高級ホテルのバーの客としてはふさわしくない装いだ。この時、ダボス会議を主催する世界経済フォーラムで働くベルギー人の知人男性が、私にふと漏らした言葉を思い出した。

「時々、ビジネスの場で過剰におしゃれをして、場違いなドレスコードの人がいますよね」

G7など各国の首脳が集まる会議で、要人が派手なピンブローチやポケットチーフをこれ見よがしにしている映像や写真をまず見かけたことがない。

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