デキない男の「就活必勝法」が学生をまどわす 「強み」を語らせるのはあまりに時代遅れだ!

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ちゃぶ台をひっくり返しているようですが、実は就活の本質を指摘する究極のアドバイスです。ノンフィクションライターのマルコム・グラッドウェルは、成功を収めた人々を取材し続けた結果、その共通点の1つに「花形ではない仕事に励んでいた時期があること」を発見しました。光の当たらない環境でもその仕事を継続していたことで、時代が変わって脚光を浴びる仕事になっていた……というパターンです。

グローバル、フィンテック、AIなど、就活生はとかく今をときめく「花形」事業をやっている企業に飛びつきがち。大学や高校を選ぶのであれば、在学するのはせいぜい数年なのでそうした選び方でもいいですが、ビジネスとなれば話は別。5年、10年経てば、「花形」はがらりと変わります。10年前の就活人気企業ランキングトップ10を振り返ると、名前は出しませんが、その後経営危機に陥った会社も少なくないのが実態。

就活のゴールは、入りたい会社に入ることじゃない。必ずしも希望の会社でないところで、自分が評価されない悔しい体験、悩んで立ち上がって自分なりに何かしら考えることで、得るものがあると考えるのがデキるひと。

5年後にコケるかも知れない今の花形より、後に花咲くかもしれない仕事の方が、実はキャリアの「花道」なんだ。デキるひとは、本当の成功につながる実に深いアドバイスを送っていました。

受験勉強と就活対策は、本質的に違います

デキないオトコは、本質的に異なる就活対策と受験勉強に同じロジックを適用し、就活生を悩ませる。デキるひとは、「内定を取る」ことだけにこだわらず、キャリアの本質である「失敗して成長する」価値を就活生に伝えていました。ボクの好きなこの言葉のメッセージと、ちょっと似ているかもしれません。

近道を見つけたのは道に迷った人間だった。〜 オースティン・オスマン・スペア
タブ タカヒロ ビジネスコンサルタント、はたらく女性のかていきょうし

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たぶ たかひろ / Takahiro Tabu

東亜大学トータルビューティ学科客員准教授。外資系アパレル2社→MBA取得→コンサルティングファームという経歴で現在に至る。新卒でやたらと有能な女性の多い職場で女子力を鍛えられ、海外勤務も経験。MBA取得後、コンサルティングファームにて、男くさいロジックと競争の世界に翻弄され、一瞬自分を見失ったものの、土壇場で開眼。周りを巻き込み味方を増やしてわくわく仕事をするスタイルを確立。週末にライフワークとして行っている「はたらく女性のかていきょうし」は大人気の数カ月待ち。セミナー開催や、雑誌取材など多方面で活躍中。共著に『外資系コンサルはなぜ、あえて「手書き」ノートを使うのか?』(KADOKAWA)。

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