中古住宅の大格差を生じさせる「国策」の中身

価値が落ちない建物の「4つの条件」はこれだ

日本の新築文化などというものは、戦後の高度成長期に形成されたごく短期間における特異な現象にすぎない(撮影:今井康一)

2016年6月、住宅所有者の資産格差を大きく拡大させる、いわば不動産が価値のある「富動産」と無価値の「負動産」とに二極分化される「静かな大改革」が起きた。「宅地建物取引業法の一部を改正する法律」の可決、成立と公布がそれで、不動産取引の媒介契約締結時、重要事項説明時、売買契約時にそれぞれ、インスペクション(住宅診断)や建物のコンディションに関する説明が義務化されたのだ。これは、中古住宅・リフォーム市場を10兆円から20兆円へと倍増させようとする国策の一環で、施行は2018年度と目される。

中古住宅の評価手法は抜本から見直し

もっとも今回の法改正は、あくまで「売主・買主ともに建物のコンディション把握に努めよう」といった趣旨にすぎないが、この先にあるのは「中古住宅の評価手法見直し」である。これによって、これまで築後20~25年で一律で価値がゼロとされてきた住宅評価が、根本的に見直される道筋ができる。やがて欧米並みに「築年数によらない中古住宅の評価」が行われることになるわけだが、良くも悪くも住宅所有者の資産格差を広げることにつながるだろう。

たとえば、築15年の中古住宅を3000万円で購入したとする。その内訳は土地評価額2000万円、建物評価額1000万円と仮定しよう。これを15年後、つまり築30年になった段階で売りに出すとき、これまでどおりの評価手法では建物評価ゼロ、土地分の評価として2000万円のみだった。

しかし今後は、築30年であっても買ったときと同じ3000万円で売れるものも出てくるということだ。リフォーム・リノベーションで建物をバリューアップさせておけば、さらに高く売れる可能性もある。もちろんすべての中古住宅が価値を維持できるわけではない。むしろ世にある中古住宅の多くは、このままでは相変わらず価値を下げ続けるだけである。

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