ドル115円後半、「ロスカット大会」は終了 12月の米雇用統計で為替はどうなるのか

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 1月6日、午後3時のドル/円は、ニューヨーク午後5時時点に比べ、小幅にドル高/円安の115円後半。香港ではこの日も人民元調達コストが急騰したが、人民元高には直結しなかった。写真のドル円は2010年10月韓国ソウルで撮影(2017年 ロイター/Truth Leem)

[東京 6日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク午後5時時点に比べ、小幅にドル高/円安の115円後半。香港ではこの日も人民元調達コストが急騰したが、人民元高には直結しなかった。

一方、ドル/円やユーロ/ドルでは、今朝までにドルロングを積み上げていた短期筋を中心とする「ロスカット大会」が終了。ドル/円では前日下落分の半値戻しとなった。

ドルは早朝の取引で115.06円と115円割れを免れたあと、仲値公示にかけて116.13円まで上昇したが、その後は上値が重くなり、116円手前でのもみあいに終始した。

ドルは前日117.43円から115.21円まで急落し、市場では短期筋によるドルロングの投げが投げを呼ぶ「ロスカット大会」が繰り広げられたと評された。

ユーロは前日1.048ドルから1.061ドルまで急反発し、ユーロショートのロスカット大会も終了したという。

きょう予定される12月の米雇用統計について、ロイターのエコノミスト予測では、就業者数は17万8000人増と、前月と同じ増加幅になると予想されている。

FXプライムbyGMOの常務取締役、上田眞理人氏は「これまでは数字の強弱があっても、長いトレンドで米国の雇用が改善されているとの判断からドルが買われてきたが、足元では米長期金利の低下傾向もあり、今回、数字の改善が確認できなければ、ドル売りにつながるだろう」とみている。

前日、米供給管理協会(ISM)が発表した12月の非製造業部門総合指数(NMI)は57.2と、2015年10月以来およそ1年ぶりの高水準をつけた前月の水準を維持したが、雇用指数は4.4%ポイント低下の53.8となった。

市場では「強い数字を無視している印象。(前日も)ドル売りの流れは止まらなかった」(国内金融機関)との声が聞かれる。

午後3時のオフショア人民元<CNH=D3>は1ドル=6.8143元付近で、早朝の高値6.78元前半からは反落。

前日、投機筋による人民元買い戻しのトリガーとなった香港の翌日物人民元借り入れ金利は続伸。財資市場公会が算出したCNH香港銀行間取引金利(HIBOR)の翌日物<HICNHONDF=>は61.333%と、5日の38.335%から上昇し、約1年ぶりの高水準に達した。

ただ、きょうのHIBOR上昇は人民元高と結びつかず、高値で調達した金融機関はごく一部に限られるとみられている。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 115.92/94 1.0581/85 122.66/70

午前9時現在 115.33/35 1.0602/06 122.28/32

NY午後5時 115.34/37 1.0603/11 122.33/37

 

(為替マーケット・チーム)

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