100年人生に「定職・持ち家・引退」は不要だ! 「既成概念をぶっ壊す!?」緊急討論会

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宮澤 弦(みやざわ げん)/ヤフー株式会社 上級執行役員。1982年1月14日生まれ(34歳)北海道出身。2004年、東京大学農学部卒業後、株式会社シリウステクノロジーズを創業し代表取締役に就任。モバイルSEO事業や位置情報に連動した広告配信事業を展開。ヤフー株式会社によるシリウステクノロジーズ社買収にともない、2010年8月ヤフー株式会社に入社。現在同社が提供するアドネットワーク(YDN)の基礎となるインタレストマッチプロジェクトに携わったのち、同社の広告事業部門本部長に就任。その後検索事業部門、メディア事業部門の責任者として事業拡大に貢献し、2016年4月より現職

:フィンランドは数年前まで、日本と同じようにノキアのような大企業に就職するのが成功、という価値観でした。ところがそのノキアが崩壊してしまい、国民は相当なショックを受けたそうです。大企業に就職すれば安泰だという神話が崩れたので、SLUSHの活動が生まれるなど、スタートアップが注目され、若者を中心に意識が変わってきています。人口が500万人しかいない小さな国なので、法律もスピーディに変えることができる。変化が必要な時代には、小さい国、小さい組織であることは、アドバンテージだと思いますね。

杉本:変化しようとすると、失敗がつきものだと思いますが、再起不能な失敗を避けるにはどうすればよいか教えていただけますか。

:「失敗を避けるには?」とよく聞かれるんですが、そもそも再起不能な失敗って何でしょう。死ぬこと以外ないですよね。お膳立てされたことをやって世間的に成功しても、何も楽しくありません。だいたい、成功しているときは大切な人には出会えないんです。ピンチのときに手を差し伸べてくれる人こそ重要な人であり、人生の最大の幸運となる出会いになる。だから僕はピンチが楽しみなくらいです。

宮澤:プライベートでは結婚を1回失敗していますが(笑)、「ライフ・シフト」的には、失敗をたくさん積み重ねることで最適なパートナーに出会える、と。仕事もうまくいっているときは反省をしませんが、失敗したときこそ反省をして、学ぶことが多い。ポジティブな気持ちで失敗を迎えるといいと思います。

尾原:僕にとっての失敗は、新しいことをやらなくなったときですね。50歳を過ぎると、いつも新しいことにチャレンジするかっこいい人と、保守的で急に老けてしまう人に極端に分かれますよね。以前、それぞれのタイプの人をベンチマークしてインタビューしてみたことがあるんです。その結果、過去の経験を捨て続けている人だけが、新しいことにチャレンジできるのだとわかりました。過去の成功体験にこだわっていると、目の前のチャンスが見えなくなってしまう。だから、捨て続けるしかないんです。

:今までの仕事はすでに消えつつあるのに、今の仕事を変えたくないとなると、摩擦的失業者の対象になってしまいます。変わらないことほどリスクの大きいものはありません。今すぐにでも尾原さんみたいに生きることはできるわけで、それを阻害しているのは自分のマインドセットだけなんです。

これからは人生のコストが下がる時代に

:なんとなく老後が不安という皆さんにぜひおすすめしたいのは、人生にかかるコストを計算してみることです。なぜ漠然とした不安にかられるかというと、わからないからなんですよ。実際に計算して具体的な数字を出すと、焦りはするかもしれませんが(笑)、不安はなくなります。

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