生活苦から「死」を選択した元お嬢様の悲愴

17歳で産んだ娘からも「捨てられた」

 バツイチ。17歳で結婚、女児を出産。19歳で離婚後、水商売や非正規職を転々とする。数年前から双極性障害と不眠症、注意欠陥障害が発症し、本気で自殺未遂をした1年前は、とても働けない状態だった。3年前に派遣された工場で知り合ったひと回り年下の男性と同棲、男性が勤めるパチンコ店の職場の寮に住んでいた。明日、明後日を乗り切るだけのギリギリの生活だ。

「その人(彼氏)のことは別に好きでも嫌いでもなく、2年くらい前からなんとなく一緒にいた。30歳を超えたあたりから、もう希望は何もなくて、ただその日暮らし。付き合って同居すれば、家賃がかからないってくらいの意識です。1年半くらい前から私は精神的に不安定で、とても働けるような状態じゃなくて、生活はその人頼りでした」

男性も同じバツイチで非正規や派遣職を転々としながら、その日暮らしをしていた。医療器具の組み立てや検査をする工場で知り合い、男性はすぐに辞めて別の工場へ、そして新聞配達と仕事を転々とする。男性は何の仕事も続かないタイプで、離婚原因も愛想を尽かされたことが原因だった。1年前は隣の市に寮のあるパチンコ店に勤めていた。

「その人は結局、パチンコ屋で働いていなかった。無断欠勤。店の人が寮に来て、出勤していないって。“もう1度、ちゃんと働けばクビにはしない”って言ってくれたけど、その人は次の日に“もうここ出よう”って言いだして、何言っているの?って言い争った。結局、夜逃げみたいな感じで逃げた。2人してホームレスです。とりあえず人がいる繁華街に行こうってことになって、大宮まで歩いた。確か去年(2015年)のことです」

突然の夜逃げ、現金は2人合わせて500円もない。タクシー代は当然、バスの運賃も払えない。大宮まで歩くしかない。一晩中、6時間以上かかった。1日を暮らせるおカネすらない。途方に暮れた。スマホを売って1万3000円を作った。ネットカフェに泊まり、何も食べずに過ごす。

市役所に相談したら「乾パン」

「ネットカフェで仕事を探したけど、年末だから世の中が動いていない。ネットカフェ代でどんどんおカネはなくなる。大晦日はマック泊、もう1台その人の携帯を売って、どうにもならなくて1月4日か5日に市役所に相談に行った。保護とかそういう話にはならなくて、乾パンみたいな非常食をもらった。私は大宮に着いた段階で、もう死にたいと思っていた。年末年始は1日中、どう死のうってことばっかり考えていた」

携帯電話も住所もない、仕事を探しようがない。目の前の数時間を乗り切るだけ。西野さんは男性に“サラ金でおカネを借りてほしい”と言われ、ダメ元で消費者金融に行った。以前の派遣の勤務先で申請すると20万円を借りることができた。

「おカネがあるうちに仕事を探して、やり直そうって言ったら“パチンコする”って。何考えているの?って止めたけど、言うことを聞かないでパチンコ屋に行っちゃった。その人はおカネがあると何も言わない、おカネがなくなると“やり直したい”って言いだす。その繰り返し。そのとき、私は死ねるように薬品を買ったんです。自殺です。ある薬品を100ミリリットル飲めば死ねるってテレビでやっていて、薬局で普通に買いました」

その薬品は危険物だが、薬局や通販で普通に買える。価格は500ミリリットルで2500円ほど。摂取すると、体内で有毒化して内臓が機能しなくなるという。

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