都心の地下鉄、混んでいるのはどの区間か? メトロ・都営13路線の輸送量を比較

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日比谷線が混むのは、「東急側」か「東武側」か(撮影:尾形文繁)

いつ乗っても混んでいる印象のある東京の地下鉄。ターミナルから離れるほど乗客が減っていくのが一般的な郊外の路線とは異なり、都心部を貫いている地下鉄の場合はどのあたりが混み合い、どのあたりで空くのかがなかなかわかりにくい。出勤時のラッシュはともかく、夜などは自分の乗る方面の電車が満員なのに、反対方面は座れそう……といった光景を眺めながら帰宅する人も多いだろう。

そこで、実際に各路線の輸送量がどうなっているのか、東京の地下鉄13路線についてデータを元に検証してみた。時間帯ごとの運行本数などによって混雑の度合いは変ってくるため、それぞれの電車の混雑と年間の輸送量が明確にリンクするわけではないが、どの路線のどのあたりがもっとも利用者が多い=混んでいる可能性が高いかを見ることができる。

各路線の「通過人員」を比べてみると…

検証にあたってのデータは「都市交通年報」(運輸政策研究機構)の平成25(2013)年版に記載された「各駅旅客発着通過状況」を元にした。ここには1年間の各駅ごとの発着人員(乗車・降車)と通過人員が、定期利用者・定期外客に分けて記載されている。通過人員の数値を見れば、その区間の利用者がどれだけいるかがわかる。

このデータでは、定期客は往復利用が前提であるとして下りの数値のみ記載されている。双方向の通過人員を算出するため、定期客の数値は2倍した上で計算した。このため数値は実際よりも多い可能性があるが、全体的な傾向を見るうえでは参考になるだろう。

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