ハイパーループの音速車両はこうなっている 1月のコンペに参加する車両の構造とは?

拡大
縮小

イーロン・マスク氏(テスラやスペースXの創業者)の未来的な移動手段「ハイパーループ」のコンセプトは、2013年に明らかとなったものである。このまったく新しい輸送システムは、減圧されたチューブの中を音速に近いスピードで人々を運ぶことを可能にする。

そのアイデアを現実のものとするために、マスク氏はスペースX・ハイパーループ・ポッド・コンテストを立ち上げた。

オランダにあるデルフト工科大学のような全30チームが2017年1月、カルフォルニアの1マイルのコースで各自のポッドをテストする予定だ。

デルフトのハイパーループは、非接触で浮上を可能にするために、無抵抗の磁気ベアリングを使っている。

デルフト・ハイパーループのビークルダイナミクスチーフのサシャ・ラーマ氏は次のように説明する。

「何と言っても素晴らしいのは、現在のところ私たちが使用する磁石は電磁石ではありません。普通の永久磁石、例えばあなたの家の冷蔵庫にも貼り付けられるタイプの磁石を使います。そのため、システム全体のエネルギー効率が大変良くなります。浮上のためにエネルギーを注入する必要がありません。スピードを上げれば自然に浮上するのです」

動画の中に出てくる半分のサイズのプロトタイプは、たった149キログラムの重さしかない。

これはマスクの目指している時速750マイルという目標に到達するように設計されている。しかし、テストコースが小さいため、出場者たちはその半分付近のスピードに制限されることになりそうだ。

「ほぼ2センチメートルの高さで浮上を開始します。我々のブレーキングシステムは滑らかな停止ができるように設計されており、スムーズにコントロールできます。停止の際にも、乗客は快適なまま過ごすことができます。車両全体の電力が失われたときでさえも、車両は安全に静止状態となります」

イーロン・マスク氏によるハイパーループの夢。この夢を現実化するプロジェクトに参加するためにも、まずは1月のコンペで勝利を掴むことを望んでいる。

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT