日経平均は大幅続落、一時300円超安に 円高と米株安に加え、年始の株価下落を警戒

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 12月29日、東京株式市場で日経平均は大幅続落。下げ幅は一時300円を超え、12月9日以来約3週間ぶりの安値で引けた。東京証券取引所で2月撮影(2016年 ロイター/Issei Kato)

[東京 29日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、大幅続落。下げ幅は一時300円を超え、12月9日以来約3週間ぶりの安値で引けた。前日の米国株安や円高進行を背景に、幅広い銘柄が売られた。後場にかけては日本の連休中の海外市場の動きや、年始の株価下落を警戒した手じまい売りや利益確定売りが膨らんだ。TOPIXは反落となった。

東証33業種中、食料品を除く32業種が下落。主力の外需大型株やメガバンクだけでなく、出遅れ感から買われていた小売や医薬品などのディフェンシブ関連にも売りが出た。日経平均は後場に入り、先物主導で一段安。引けにかけては下げ渋ったものの、連休前にポジションを落としておこうという海外投資家のリスクオフの動きが継続した。

水戸証券・ストラテジストの糸賀雅史氏は「年末で市場参加者が少ない中での米国株安は意外性があった。薄商いで国内材料が乏しいので、外部環境が悪化すると株価は反応しやすい。日銀によるETF(上場投信)買いの観測も入ったが、きょうは功を奏していないようだ」と話している。

個別銘柄では東芝<6502.T>が大幅続落。米原子力事業での巨額減損計上の可能性を27日に発表した後、引き続き売り圧力に押された。S&Pグローバル・レーティング(S&P)が28日、東芝の長期会社格付けを1段階引き下げたことも嫌気された。

半面、タカタ<7312.T>が大幅反発。米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、タカタ製エアバッグの欠陥問題をめぐる刑事捜査に絡み、同社が最大10億ドルを支払い米司法省と和解する方向に近づいていると報じた。エアバッグ問題解決へ前進を期待した買いが入った。

東証1部騰落数は、値上がり342銘柄に対し、値下がりが1571銘柄、変わらずが90銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      19145.14-256.58

寄り付き    19301.04

安値/高値   19092.22─19301.04

 

TOPIX<.TOPX>

終値      1518.39 -18.41

寄り付き    1529.33

安値/高値   1513.25─1529.33

 

東証出来高(万株) 224914

東証売買代金(億円) 20796.43

 

 

(辻茉莉花)

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