スズキ、新型「スイフト」で初売り合戦に挑む 実は軽だけじゃない!登録車が絶好調

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大胆なフロントデザインを採用して変身を遂げたスズキの新型「スイフト」

看板モデルの刷新で、「初売り」を成功に導けるか――。

スズキが世界戦略車「スイフト」を約6年ぶりにフルモデルチェンジし、2017年1月4日から日本で先行販売する。鈴木俊宏社長は12月27日の発表会で、「ブランドを牽引するグローバルコンパクトカーがスイフトだ」と強調した。価格は134万円から。月間販売台数3000台を目指す。

新型スイフトは旧型と同様にスポーティなデザインと高い走行性能が売りだ。デザインはイタリアの自社デザインスタジオと日本のチームで共同開発し、「ひと目でスイフトとわかる」というスタイルを継承しながら、大胆なフロントデザインを採用するなど一段とスポーティに変身した。

世界戦略車だが、日本でも重要な意味を持つ

同時に、新しいプラットフォーム(車台)を採用。軽量でありながら高いボディ剛性を実現したことが特徴だ。車両重量は旧型に比べて120キログラム軽量化し、全グレードで1トン未満に抑制した。

内装もスポーティーなデザインへと変化

エンジンには自然吸気の1.2リットル、ターボ付きの1リットルをそろえたうえ、マイルドハイブリッド車も新たに加えてガソリン1リットル当たり27.4キロメートルの低燃費を実現。スズキで初めてとなる、単眼カメラとレーザーレーダーによる自動ブレーキシステムも採用した。

スイフトは2004年に初代モデルが発売され、今回は3代目となる。スズキのブランドイメージを変え、スズキをグローバルメーカーへと飛躍させた象徴的な車種だ。世界累計販売は2016年4月に500万台を突破。世界累計販売の内訳をみると、日本の10%に対して、主力市場のインドが55%と圧倒的で、欧州も17%と高い。

ただ今回の3代目スイフトは海外だけでなく、日本でも2つの大きな意味を持つ。

第1に、今年5月に燃費測定不正問題が発覚して以降初めてとなる新型車だ。新型スイフトはもともと2016年秋頃の発売が見込まれていたが、不正問題の対応や国土交通省による新車販売の審査厳格化により、2017年春以降にずれ込むとの見方が出ていた。

しかし、国交省の再審査で、スズキの全車で燃費がカタログ値を上回っていたことが判明し状況は一変。販売計画の遅れをできるだけ軽減したいスズキにとって、年末ギリギリの発表で、1年でも最大商戦となる「初売り」になんとか間に合わせたとみられる。

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