MBAを取って一発逆転、最短ルートは? MBA連載、佐藤智恵氏が指南

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ビジネススクールに合格する確率が高まるというのは、会社として社員のMBA留学を積極的に支援しているからです。トップ校に合格すれば、休職、うまくいけば、社費で留学することができます。何よりも、マッキンゼーやBCGは、ビジネススクールにとって、多くの学生を雇用してくれるトップリクルーターです。そういう会社からの派遣者を歓迎しないわけはありません。

その後のキャリア展開にしても、すでにショウタさんは投資銀行で豊富な経験をお持ちですし、かつ、留学前にマネジメントコンサルティングを経験していれば、CFOになるのに職歴としては申し分ないのではないでしょうか。

それでは、A社が、別の投資銀行だったらどうでしょうか?

仮にプリンシパル側に転職できたとすると、ビジネススクールに合格するかどうかは、その銀行が社費、あるいは、休職で派遣してくれるかどうかが大きなポイントとなります。

なぜなら、金融の場合は、就職が市況によって左右されることが多いためです。卒業生の進路を非常に気にするビジネススクール側は、「MBA取得後に“確実に”職が保証されている人」を優先して、合格させる傾向があるというのが実態です。

現実的に考えて、転職1年目の社員を派遣、あるいは休職を許可してくれる銀行は少ないでしょうから、その場合、留学を遅らせることも検討するべきでしょう。

しかし、ショウタさんがおっしゃるとおり、「留学前にプリンシパル側を経験している」ということは、MBA取得後、「プリンシパル側のマネジメント」へと進むのに、プラスになるのは間違いありません。採用する側としても安心ですし、何より、キャリアのストーリーとして説得力があります。

意外に有力?起業するというストーリー

もちろん、MBA留学をきっかけに、キャリアチェンジをすることは十分可能です。

メディアの世界から留学を経て、まったく畑違いの金融やITに転職する人もいるぐらいですから、ショウタさんのように同じ金融内のファンクションチェンジであれば、さらに実現する可能性が高いのではないでしょうか。ただ、「1年でも早く希望の職に近づきたい」というショウタさんの気持ちも、とてもよくわかります。

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