トヨタ「C-HR」のHVとターボは何が違うのか エコ志向とクルマ好きの両方に応える

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もうひとつ、ターボエンジンの1200ccという排気量にも注目した。欧州車で主流となっている、いわゆるダウンサイジングターボだからだ。C-HRは海外向けとして2000cc自然吸気エンジンも用意する。コストではこちらが有利だ。なのにダウンサイジングターボを選んだのは、欧州車的な走行性能をアピールする狙いもあったのだろう。

燃費のハイブリッド、走りのターボ4WD

プレゼンテーションでは、C-HRのテスト走行が欧州で行われたという説明もあった。ドイツの高速道路アウトバーン、オーストリアの山道などを走りながら、ボディ骨格やサスペンションチューニングを最適化していったという。さらにドイツのニュルブルクリンクサーキットで行われる24時間耐久レースには、ターボ車が参戦した。

燃費のハイブリッド、走りのターボ4WDという二枚看板で売っていこうというコンセプトが、プレゼンテーションから伝わってきた。

C-HRのライバルは、ジャンルやサイズ、価格から考えると、国内SUVベストセラーの座にあるホンダ「ヴェゼル」、スバル(富士重工業)「XV」、C-HRの翌日に新型が発表されたマツダ「CX-5」あたりになるだろう。

いずれもお求めやすい価格でガソリン自然吸気エンジン搭載車を用意し、上級車種としてヴェゼルとXVはハイブリッド車、CX−5はクリーンディーゼル車を設定している。

しかしC-HRの2車種に上下関係は存在しない。車両本体価格で見ても、ガソリンターボ4WD車は250万~280万円台、ハイブリッド車は260万~290万円台と大差はない。ガソリン車をコストで有利な自然吸気前輪駆動とせず、あえて高価なターボ4WDとした結果、最低価格ではヴェゼルやXVはもちろん、ひとまわり大きなボディを持つCX-5をも上回っている。

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