キーマンが去ってもUSJの「絶好調」は続くか 「ポスト森岡」時代に求められる采配とは?

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2020年までに新設予定のスーパーマリオのエリア。米国でも任天堂との提携エリアを開設する 
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キーマンを失ったテーマパークの勢いは今後も続くのか――。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のV字回復の立役者である、運営会社ユー・エス・ジェイの森岡毅執行役員が2017年1月末に退任することになった。12月16日の記者会見で森岡氏は、任天堂と共同開発する予定の新エリア開設にメドが立ったことなどを退任の理由に挙げた。

森岡氏は日用品メーカー大手のP&Gを経て、2010年に入社。P&Gで仕込んだマーケティングの視点を活かし、「脱映画」の施設づくりを推進。一時700万人台にまで落ち込んでいた入場者数を、2015年度に過去最高の1390万人にまで回復させた。

ハリポタ開業で関西圏外からも集客

森岡氏の手腕はUSJでいかんなく発揮されたといえよう。2012年には、子ども向けエリア「ユニバーサル・ワンダーランド」の開設に携わった。これまで家族連れの集客が苦手とされたUSJだったが、幼児連れでも楽しめる施設は好評を博し、反転攻勢のきっかけとなった。

その後も森岡氏は、後ろ向きに走るジェットコースター「バックドロップ」などのアトラクションをヒットさせ、2014年には約450億円もの巨額を投じた映画「ハリー・ポッター」エリアの誘致を実現させた。

「USJは経費を相当に削って貯め込んだ資金を一気に吐き出し、企業価値を上げる最後の手段として、米国で大人気だったハリー・ポッターの施設を投入した。その狙いは見事に当たった」と、レジャー産業に詳しい余暇産業研究所の井手信雄主席研究員は語る。

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