海外留学を「カネで迷う人」は働ける国へ行け 語学ができなくても大丈夫な3大留学先

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1つ目のオプションとして留学滞在の王道「ホームステイ」で考えてみる。物価の高いシドニー市内への通学圏内ホームステイ(1日2食付)は約9万5000~10万2000円程度で見つかる。

2つ目のオプション「シェアハウスで自炊」するパターンでも考えてみよう。ホームステイで生活に慣れてきた留学生は、シェアハウスに移ることが多いものだ。地域や物件、1人部屋か2人部屋かにより差があるものの、水道/光熱費含む家賃が月約5万円~10万円。月の食費は、大都市であってもぜいたくしなければ月2万5000~3万5000円程度で抑えられる。

これで、アルバイトで現地での生活費のうち70~90%程度を賄えることがうかがえる。とはいえ、すぐに仕事が見つからなかったり、違う仕事に移りたかったりする合間の求職期間もありうる。また、試験を受ける予定のある人はその準備期間中にアルバイトを控える時期がある可能性を考慮しておくと安心だ。

また、この計算は語学留学生だからこそ成り立つとも言える。オーストラリアを含めどの国でも、大学や大学院に入ると日々の勉強はとてつもなく厳しい。アルバイトをする余裕なんかないという声がほとんどだ。語学留学が楽だとは言わないが、レベルに合わせて授業を受講できる語学留学中は、大学/大学院と比べれば時間はある。思考回路を「語学力がないからアルバイトはできない」から「語学力は未熟でも、語学留学だからこそアルバイトができる」に切り替えた人にこそチャンスがある。

2年前から合法になったニュージーランド

2014年1月から、ニュージーランドも語学留学生にアルバイトを認めるようになっている。それまでは長期のコースに在籍し(6カ月以上)、かつ英語力がある(IELTS5.0以上)がアルバイト可能条件だったが、現在は、3カ月(14週間)以上の所定のコースに在籍していれば英語力のない語学留学生でも就労が可能になった。

就労可能なのはオーストラリアと同じく週20時間まで。ニュージーランドの最低時給は15.25ニュージーランドドル(約1252円)で日本と比べるとずっと高く、しかも近年は毎年上がっている。

ただし、注意しておきたいのはこちらもオーストラリア同様の懸念があること。都市部を中心に物価上昇が著しいという側面、最低時給以下の仕事もたくさんあるという側面を念頭に置いておくべきだ。授業料と最低限の滞在費は用意して渡航し、食費や交際費をアルバイトで賄うというのが現実的であろう。

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