日本はスポーツで「稼ぐ」国に変われるのか 「スタジアム・アリーナ改革」の目指す針路

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この統計では、スポーツ産業を「小売」「興行」「施設」「公営競技」など11項目に分類している。その中でも、10年で大きく減少したのは、全体の約4割を占めて最大の競馬、競輪、競艇などの「公営競技」(1.7兆円減)と、2割を占めて2位に続く「施設」(1.2兆円減)である。「施設」は特にゴルフ場の売り上げの減少幅が大きく、 フィットネスクラブが増えはしたが、それも焼け石に水という状況だ。

一方、プロ野球、Jリーグ、大相撲などの「興行」は2012年に2843億円と2002年の2.3倍に増加。この拡大には、プロ野球の売り上げの増加、Jリーグのチーム数の増加などが大きく寄与していると思われる。ただ、それでも市場全体に対する構成比は2.5%と依然小さく、市場全体を押し上げるには程遠いのが現状だ。

では、日本と他国を比べるとどうだろう。

米国は日本の4倍の市場規模

日本のスポーツ関連市場は、先ほど述べたように2012年に11.4兆円(GDP比2.4%)という規模だった。これに対して、2013年に米国は48.5兆円(GDP比2.8%)、同じく韓国は3.7兆円(GDP比2.6%)という試算がある。もちろん、試算する方法や時点の違い、為替の変動などもあるので単純比較はできないが、参考にできるデータではある。

4大プロスポーツ(野球〈MLB〉、バスケットボール〈NBA〉、アメリカンフットボール〈NFL〉、アイスホッケー〈NHL〉)を有するスポーツ大国である米国は、日本の4倍以上の市場規模だ。日本はというと、10年前より縮小しており、GDP比では韓国よりも小さく、厳しい状態にあることがわかる。

はたして、日本でも「スポーツで稼ぐ時代」は来るのか。現実を見ると、どうやら心もとないと言わざるをえない。

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