「アフリカ市場」は中国人に席巻される寸前だ 「DMM.com×ビィ・フォアード」トップ対談

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山川 博功(やまかわ ひろのり)/ビィ・フォアード代表取締役社長。ワイズ山川代表取締役。1971年福岡県出身。1993年明治大学文学部卒業後、東京日産自動車販売入社。1996年に退社し、転職を繰り返した後、1997年中古自動車買取業のカーワイズ入社。1999年にグループ内で独立し、ワイズ山川を設立。2002年より中古自動車輸出を開始、2004年に中古自動車輸出部門を分社化、ビィ・フォアードを設立。著書に『グーグルを驚愕させた日本人の知らないニッポン企業』(講談社プラスアルファ新書)がある。

山川:うちはまだアフリカメインでビジネスをやっているので、あくまでもアフリカではという前提条件で言いますが、本当にアフリカはSNS社会で、うちが実質5年間で500億円まで売上を伸ばすことができたのも、SNSのおかげです。みんな「ワッツアップ」という、日本の「LINE」のようなSNSを使っているんですね。しかも、たったの5年で500億円ですから、拡散するスピードが尋常ではないということを感じました。

あと、アフリカというと、多くの人が「危ない」「満足に食事ができないのではないか」など、いろいろ不安に思っているようですが、私はまったく普通に生活できると思います。治安が極端に悪いというわけでもありませんし、食事だって普通にできます。まあ、日本からの距離が遠いという物理的な問題はありますが、生活する分には特に問題はないと思います。亀山会長はご自身で1カ月、アフリカを旅されて、どう感じましたか。

亀山:いやいや、ヤバイところはあるでしょう(笑)。ただね、俺はこう考えているの。危険なところのほうがチャンスはあるってね。危ないところになれば、誰もそう簡単に入っていかないから、逆にビジネスチャンスが荒らされていない可能性がある。

中国に支配される前に、日本人はアフリカを目指せ

亀山:昔、日本の商社マンといえば、それこそアマゾン川の奥地にまで入り込んでいると言われていたくらい、危険なところにもどんどん入り込んでいった。なかには銃弾を潜り抜けて商談を成立させていたというような猛者もたくさんいたわけでしょ。今、60代、70代の元商社マンと話をすると、最近のビジネスマンはぬるいという意見もけっこう聞きますよね。

山川:たしかに、アフリカは中国人ばかりで、日本人は本当に少ないですよね。

亀山:中国人10人に対して日本人1人くらいならまだわかるんだけれども、いまは中国人100人に対して日本人1人くらいでしょ。もっと日本人はアフリカを目指すべきだと思う。

山川:そうですね。中国人はアフリカに進出しても、大勢の中国人を引き連れてくるじゃないですか。要は、働く場所を探してアフリカに来ているのです。ただ、そうなるとアフリカの人たちからすれば、中国人はアフリカ人の雇用を奪い、しかも資源まで持ち去っていくという、悪いイメージが強くなります。

逆に日本人は現地の人たちと良い関係を築き、アフリカの人たちが仕事を覚えられるように連れ添いながら、仕事をしてきました。私たちは、その土壌を引き継いで、より良いビジネスをアフリカに展開していきたいと思っています。

亀山:アフリカビジネスは、10年後にはかなり本格的に立ち上がっている気がするんだよね。10年というのはあっという間だから、もう行動を起こしていなければ遅いくらいかもね。

日本人はもっと行動を起こすべき。情報技術の発達でビジネスに必要なインフラは、さほど、おカネをかけなくても手に入れられるようになったのだから、リスクをとって行動を起こしてほしいと思うよね。

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