労働時間を4分の1にした人が直視した「課題」 あなたのボトルネックは何ですか?

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症状⑤ バリバリタイプ:忙しさ=有能の証

「有能であるから忙しい」という考えが根底にあるタイプです。要職についていたり、職場のエース的な存在であることも多いでしょう。頻繁なメールチェックのためスマホが片時も放せず、メールの受信数や処理数をひそかに自慢に思っています。

家事や育児、子どもの学校の役員や地域貢献などは、自分は特別に忙しいのだからできなくて当たり前と考えます。同窓会の招待も「自分が出るような価値のある集まりなのか?」と、徐々に付き合う人の範囲を狭めてしまいます。仕事を一緒にする同僚や部下、挙句には家族や友人にも「で、結論は?」などせっかちな対応をするので良好な関係を築くのは難しくなってきます。評価が高いうちはよいのですが、キャリアアップにつまずいた時に「幸せっていったい何だろう?」と深い悩みにつきあたることもあるでしょう。

以上の5つのタイプを読んでみて「これは自分に当てはまるな」と思ったものはありましたか? 実は私はこの5つのタイプすべてが当てはまっていました。何を隠そう、自分が相当な時間を仕事に傾けていた頃の私自身の姿です。

社会人として数年間は①のように頼られたうえでのやらされ仕事で忙しく、それを抜け出すと②のように熱中しすぎ、こだわりができると③のように過剰品質を追求し、④のように人に任せることができずに抱え込んでパンクし、挙句の果てには⑤のように自分は有能だから忙しくて当然と勘違いするという流れを辿ったのです。

長時間労働は「病気」

長時間労働は、健康、メンタル、家族、友人関係……気がつかないうちに多くのものをむしばんでいきます。最終的には人生そのものを破壊してしまうことさえあります。私自身、以前は長時間労働でつらいものの「仕事なんだから当たり前」と思い込んでいましたが、本当に当たり前なのでしょうか?

長時間労働を止めるには「仕方がない」という思いをまずは止めることがスタートラインです。自分の忙しさが、どんな考え方やマインドから来るのかを把握して、それを続けるリスクを理解すると、仕事を片付けて帰ることへの罪悪感や引け目など、メンタルブロックがはずれます。大切なのは「絶対に速く終わらせよう」と思う気持ちです。まずは、つねに忙しすぎるのは当たり前ではないと、マインドを変えることがスタートなのです。

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