マスコミの「トランプ評価」は偏り過ぎている 2017年の米国経済は年3%の成長が可能だ

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問題はあるが、トランプ氏の「キャラ作り」の一部はブランドづくりのため。実際は極めて優秀なビジネスマンだ(写真:AP/アフロ)

2017年に米国の利上げは何回あるのか

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12月14日に結果が判明したFOMC(米公開市場委員会)では1年ぶりに25bps(0.25%)の利上げが予想どおり決定された。予想外だったのがドットチャート(17名のFOMCメンバーによる金利予想)において、メンバーが想定する2017年末以降の政策金利が引き上げられたことである。

前回の9月時点では、主流派のメンバーほとんどが2017年末までに2回の利上げを想定していたが、17名のメンバーの中で最多の6名が年内3回利上げを想定していることが判明した。

一方で17名のうち合計すると6名は2回以下の利上げを想定しており、依然イエレンFRB議長は2回利上げを想定している可能性が高い。

今回、3回利上げが最多となったのはトランプ政権による財政刺激策による成長・インフレ上振れを複数のメンバーが織り込んだためだが、それを政策金利の予想にどこまで反映させるかは、FOMCの主流派の中ではまだ意見の相違があるという状態である。

だが、ドットチャートのレンジが、はっきり変わるとは多くのエコノミストが予想していなかった。このため、FOMC後に米10年金利は2.5%台まで上昇、為替市場も結局1ドル118円台まで大きくドル高が進んだ。

それでは、FRB(米連邦準備理事会)は2017年に実際のところ何回利上げするのか。言うまでもないが、FOMCメンバーの判断材料になる、経済成長率・インフレ率に依存する。そして、これらがどの程度上振れるかは、トランプ次期政権が打ち出すであろう大型減税などがスムーズに実現するかどうかである。

実際には、トランプ氏が事前に打ち出している税率引き下げが議会で通るのか、不透明な部分がある。ただ、共和党も減税を打ち出しており、一定の妥協はあっても2017年からの減税が実現すると筆者はみている。

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