アディダスが「暗闇エクササイズ」と組む理由 「サッカー」「男性」のイメージを払拭したい!

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2016年2月にはアディダス史上初となる女性専用ランニングシューズを発表。3月、4月には女性の国内初となるウィメンズストア(女性専門店)をそれぞれ博多、有楽町にオープンしている。広告塔には女優の榮倉奈々を据え「女性向けのアディダス」を強くアピールしてきた。

アディダスは今年2月から女性向けスポーツ商品の展開を強化している(写真は2016年春夏向け商品 記者撮影)

商品だけでなく、女性がスポーツを楽しめる環境を提供するために、前述のスポーツコミュニティ「Me CAMP」も2月に立ち上げている。

「Me CAMP」は毎週末開催されており、参加者は20~40代の女性が中心だ。今年10月まで1000人超が参加している。これまではヨガやランニング、ボルダリング、資生堂の日焼け止め商品・パナソニックのトレーニングギアとのコラボなどをしてきた。

女性からのブランド支持率は「NIKE」超え! 

女性向け商品の広告塔には女優の榮倉奈々さんを起用している(写真:記者撮影)

トレーニング部門責任者でウィメンズプロジェクトを統括する山田恭子氏は、女性市場に最注力する理由として「日常的にジムに通うなど女性がスポーツに感化されるようになっている。洋服などを買う頻度を考えても女性のマーケットを放っておく手はないと思った。『サッカー』『男性的』といったアディダスのイメージを払拭したい」と語る。

女性向け強化の取り組みをスタートして以降、アディダスの女性関連商品の売上高は2ケタ以上の伸びを記録している。社内調査では女性からのブランド支持率がライバルのナイキを大きく引き離すようになったという。山田氏は「Me CAMPの参加者が増えて基盤はできたと思っていたが、ここまですぐに反響が出るとは思わなかった。すごくポジティブな結果を出すことができている」と語る。

すでに2017年に向けてのパートナー探しも継続しており、アパレルメーカーとのコラボなども検討しているという。成長市場といわれる女性スポーツ用品市場において、アディダスの勢いが一段と増しそうだ。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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