富士フイルムが和光純薬買収、再生医療強化

1547億円で武田薬品から

 12月15日、富士フイルムホールディングスは武田薬品工業傘下の試薬メーカー、和光純薬工業(大阪市)を買収すると発表した。6月撮影(2016年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 15日 ロイター] - 富士フイルムホールディングス <4901.T>は15日、武田薬品工業 <4502.T>傘下の試薬メーカー、和光純薬工業(大阪市)を買収すると発表した。武田薬グループが保有する株式71.2%などを約1547億円で取得する。今後の成長が期待される再生医療など富士フイルムが注力するヘルスケア分野の強化が狙い。

2017年2月27日から株式公開買い付けを開始予定。富士フイルムは1960年に和光純薬と提携、現在9.71%出資する第2位株主で、来年4月21日に連結子会社化を予定している。

富士フイルムの古森重隆会長兼最高経営責任者(CEO)は記者会見で、今回の買収について「再生医療分野、体外診断分野、医薬品の開発製造受託でシナジーが見込める。富士フイルムのさらなる成長に向けた重要なマイルストーン」と述べた。

和光純薬の15年度売上高は794億円。今後のシナジー効果を通じて21年度に1000億円強への引き上げを狙う。

助野健児社長は「当社と和光純薬は近い事業領域にいながら相互に補完ができる」と強調。1500億円強の買収投資は「10年強で回収できる」と述べた。

「和光純薬の営業利益はいま80億円くらい。売上高1000億円を目指した時にシナジーを入れて営業利益180億円くらいのレベルになる」(助野氏)としている。

<再生医療、態勢強化へ>

今回の買収で強化を狙う再生医療は、事故や病気で損なわれた身体の組織や器官の再生、回復を実現する技術。経済産業省によると2050年には世界で50兆円規模の市場拡大が見込まれる。

再生医療では、臓器や組織を作る「細胞」、細胞培養に必要な「培地」、細胞育成・増殖用の「足場材」が3大要素とされる。

富士フイルムは、iPS細胞の開発・製造を手掛ける米セルラー・ダイナミクス・インターナショナルを昨年買収し、足場材は自社で手掛ける。培地を手掛ける和光純薬をグループに加えることで、「再生医療に必要な3大要素をすべて自社グループに保有する」(助野氏)としている。

<M&A続ける意向>

富士フイルムは、15年度実績で4200億円の医療関連事業(ヘルスケア)を18年度に1兆円に引き上げることを目標としており、今回の買収もその一環だ。

古森氏は目標達成に向け、「内部で足りないものは、戦略的なもので補う」と述べ、M&Aを続ける意向を示唆した。

*本文1段落目の表現を明確にし、内容を追加して再送します。

 

 

(浜田健太郎)

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