30~40代男の「若い子との結婚」が無謀なワケ 独身が抱いている願望を現実が打ち砕く

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もともと複数の“普通”を持ち合わせている女性は、円満な夫婦生活を送るパートナーとして最適なだけに、「多くの男性から求められて早い時期に結婚する」人がほとんど。一方、見た目、年齢、性格、家事能力などの「何か1つが秀でていても、他のものが欠落している」女性との生活は、不満が募り、我慢を強いられるため、男性たちから選ばれにくいのです。

これは裏を返せば、「見た目、年齢、性格、家事能力のいくつかで普通以下の女性は、夫や恋人がいない」可能性が高く、「男性はそれを受け入れれば結婚のチャンスが広がる」ということ。「トータルで“普通”の子がいい」と思わず、「顔やスタイルがタイプでない、年齢が高め、性格がキツイ、家事下手のどれなら受け入れられるか?」を考えて潔く決断すれば結婚の可能性は飛躍的に上がります。

相談者のAさん(37歳)は、婚活がうまくいかず「普通の子でいいのに……」と悩んで私のもとを訪れました。コンサルで最初に行ったのは、Aさんが頭の中で作り上げた“普通”のイメージを壊すこと。Aさんが考える見た目、年齢、性格、家事能力それぞれのハードルを再確認し、少しずつ下げたうえで婚活に挑むように勧めました。

『独身40男の歩き方』(CCCメディアハウス)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

Aさんの婚活がうまくいかなかったのは、せっかく出会った女性に対して、初対面で「普通以下」とみなしてシャットアウトしていたから。上から目線のつもりはないのに、「ここが普通以下だから、わざわざ労力をかけて口説くほどではないかな」などと思っていたのです。

そんなAさんへのアドバイスは、「どんな女性もどうせ歳を取り、見た目は変わる」「歳を取れば穏やかな性格になる」「家事も少しずつうまくなる」など、今だけではなく数年後を踏まえた視点を持つこと。また、「会う機会が増えるほど好感度や親近感を抱きやすい」「会話を交わすほど情が湧いて好きになりやすい」などの人間心理も伝えて、早急な判断をしないように伝えました。

独身男性の幸せはリスクヘッジから

拙著『独身40男の歩き方』で恋愛・結婚に加え、メンタル、仕事、人間関係、趣味、健康など、独身生活全般における“43の危機”とその向き合い方を解説しているように、「独身で気ままに生きる」のも、「結婚に向けて歩き出す」のも、すべては自分次第。独身の自由な立場だからこそ、既婚者よりも可能性も危険性も大きいだけに、自分の力で笑顔あふれる幸せな日々にしてほしいのです。

独身男性がまず行うべきは、自分の身に起こりうるリスクを把握しておくこと。「現在と将来にどんな危機があるのか?」「どうクリアしていけばいいのか?」、ツボを押さえたリスクヘッジさえできれば、独身生活は楽しく、既婚者たちから羨望のまなざしを集めることも夢ではないのです。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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