「頭のいい人」が成功できない5つの根本原因 組織で勝利するのは、「人を動かせる」人間だ

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3つ目は、周りに恐れられてしまうこと。

あまり優秀ではない人をどう扱うか、その態度は皆が見ている。そして、その人がどれだけ人望を得られるか、ということを決める。

あるメディアに有能な方がいたが、その人には人望がなかった。なぜならば、会議でイマイチな発言をした人に対するツッコミが、的を射すぎていたからだ。

「イマイチな発言を繰り返す奴もどうかと思うが、アイツのツッコミはキツイ」という噂が立ってしまっていた。

要は、その人の発言が周りに恐怖感を与えてしまっていたのである。

期待されて、人は初めて動く

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4つ目は、人にあまり期待しないこと。

こういう話をすると、「頭が良くても、人あたりがイマイチなんでしょ」と言われるが、そんなことはない。頭が良い人は相手の考えていることがだいたいわかるので、人あたりが悪い人は少ない。

マンガやドラマのステレオタイプでは、「頭が良い人はガリ勉で暗く、人あたりが悪い」と描かれるが、実際にはそんなことはなく、人あたりの良い人も珍しくない。

しかし、本質的には、人を動かすのは、「人あたり」ではない。「その人に対する期待」である。頭の良い人は、自分の能力が高いがゆえに、「他の人に対する期待」を持ちにくい。

「この人は、この仕事を自分以上にできる」と思うことが、下手だということだ。

5つ目は、頭の良さを重要視しすぎること。

人にはさまざまな強みがあるが、「頭の良い人」は、「頭の良さ」という尺度を過大評価する傾向にある。

本質的には、「頭の良さ」は、成功するための必須の条件ではない。成功の度合いは頭の良さに依存するかもしれないが、成功する、しないを分かつのは頭の良さではなく、行動力である。

安達 裕哉 ティネクト代表取締役

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あだち ゆうや

1975年東京都生まれ。Deloitteにて12年間コンサルティングに従事 。大企業、中小企業あわせて1000社以上に訪問し、8000人以上の ビジネスパーソンとともに仕事をする。現在は仕事、マネジメントに関する メディア『Books&Apps』を運営する一方で、企業の現場でコンサル ティング活動を行う

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