「忘年会幹事」を若手に丸投げしてはいけない 先輩の「教育不行届き」が相手にモロバレです

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効果的なのは、忘年会の当日に取引先より先にお店に着くようにして、そこで上司がお店の人に後輩を紹介しておくこと。紹介された後輩は、出来ればあまり間をおかずにそのお店に通うと、お店の人に覚えてもらえます。夜は高くて行けないのなら、ランチタイムに通うのも効果的ですね。そうすることで、若手でも何軒かの“自分のお店”を持つことができるようになります。

若手には「お会計」を任せよ

そして、当日は若手にもできる重要な役割があります。当日の会計です。忘年会はコース料理をオーダーすることが多いので、デザートが出るタイミングで会計をすることを伝えておきます。

会計で学ばせることは2点。取引先にはわからないように、「トイレに立つようにして会計を済ませる」というその気遣いと、「その日の金額がどれくらいになるか」を頭に入れることです。お料理の値段がわかっていても、お酒が加わるとどのくらいになるのか、その感覚が会計をすることでつかめるようになるのです。

お店によっては、お料理はリーズナブルなのに、お酒が高かったり、またはその逆だったり、ということがあるものです。そういうことも、会を重ねるごとにわかってくるので、よい訓練になります。

ただ、会計を後輩に任せたからと言って、お役目終了ではありません。肝心の自分が、会計で支払った金額を全く把握していなくては意味がありません。料理の金額と、おおよそのお酒の金額を概算して、予算を組んだのですから、予算内にしっかり収まったのか、確認しなくてはならないからです。

少なからず、こうした会では予算をオーバーすることがあります。取引先の人がワイン好きだったため、ビンテージワインをオーダーすることになったり、そこまで飲まないだろうと思っていたのに、どんどんお酒が進んでしまったり……。

以前、こんな失敗を経験したことがあります。あるとき、大人数での忘年会を企画したことがありました。全員で40人ほどの会だったので、お店を貸し切って、ドリンクもフリードリンク制にしました。こういう場合は、支払う金額も確定していると思っていました。

ところが、ある取引先の上の方が、フリードリンクのメニューには含まれていないお酒をオーダーされたのです。しかも、それを見た他の人たちが一斉に同じものをオーダーし始めました。

忘年会は「予算内で抑える」ことが大前提。そうしないと、切り詰められている接待の予算が、ますます取れなくなってしまいます。こんな事態が起きたら、予算をオーバーしてしまわないかと、担当者はハラハラすべきです。ただ、会計を後輩に任せきりだと、肝心の予算管理意識が欠如してしまうことがあるようです。

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